通関業法の穴埋めも法令文を覚えていれば問題ありませんが、ちょっと自信がないときに、ヒントになるように解説してます。

第1問 次の記述は、通関業法第4条(許可の申請)の規定に関するものであるが、(   )に入れるべき最も適切な語句を下の選択肢から選び、その番号をマークしなさい。

 

 通関業の許可を受けようとする者は、通関業の許可申請書に通関業務を行おうとする( イ )ごとの( ロ )の氏名及び置こうとする( ハ )の数を記載しなければならない。また、当該許可申請書には、通関業務を行おうとする( ニ )を記載するとともに、その通関業務に係る取扱貨物が一定の( ホ )のもののみに限られる場合には当該貨物の( ホ )を記載しなければならない。

 

@ 営業所 A 管理者 B 期 間

C 港 湾 D 事務所 E 従業員

F 種 類 G 税 関 H 税 率

I 責任者 J 蔵置場所 K 地 域

L 通関士 M 役 員 N 輸出者又は輸入者

 

イは@かDしかない。役所関係は事務所より営業所を使うから@

ロはA、E、I、L及びMが候補。このうちEだと範囲が広すぎるし、Mだと営業所毎に役員は配置されないから違う。Lも考えられるがハとの関係で違う。残りはAとI.迷うところだが対役所でIとする。

ハは通関営業所におくのは通関士しかない。

ニはC、J及びKが候補だが、Jだと数が多すぎるし、内陸税関もあるのでCも違う。残るはK.

ホはFの種類以外はありえない。税率で限定はナンセンスであろう。

 

第2問 次の記述は、通関業法第10条(許可の消滅)及び第11条(許可の取消し)の規定に関するものであるが、(   )に入れるべき最も適切な語句を下の選択肢から選び、その番号をマークしなさい。

 

1. 通関業者が、次のいずれかに該当するときは、その通関業の許可は消滅する。

@ 通関業を( イ )とき

A 死亡し、又は法人が解散したとき

B 破産手続開始の( ロ )を受けたとき

 2.税関長は、通関業の許可が消滅したときは、( ハ )その旨を公告しなければならない。

3.税関長は、通関業者が偽りその他不正の手段により( ニ )を受けたことが判明したときは、( ニ )を取り消すことができる。

4、税関長は、通関業の許可の取消しをしようとするときは、( ホ )の意見を聞かなければならない。

 

@ 7日以内に A 営業所の許可 B 学識経験者

C 決 定 D 裁 決 E 財務大臣

F 審査委員 G 直ちに H 遅滞なく

I 通関業の許可 J 通関士の確認 K 通 知

L 取り消された M 取りやめた N 廃止した

 

イはL、M及びNがはいりそうだが、通関業の許可の取消しは、あるが通関業の取消しはないのでLは違う。MとNは似たようなものだが廃止のほうが役所言葉であるのでN。

ロは、裁判所の手続であるか決定から判決しかないが選択肢に決定しかないのでCしかない(裁決は行政不服審査等に用いる)

ハは期間だから@、G及びHであるが一番幅があるH

ニは、IかJ。通関業そのものの話としてI。なお偽りその他不正の手段により通関士の確認を受けたことが判明したときは、通関士でなくなる(通関業法第32条第4号)

ニは、BかF。意見を聞く客体は委員とか関係機関が普通だからF。

 

第3問 次の記述は、通関業法第16条(検査の通知)の規定に関するものであるが、(   )に入れるべき最も適切な語句を下の選択肢から選び、その番号をマークしなさい。

 

 税関長は、通関業者の行う( イ )に関し、( ロ )に関税法第67条(輸出又は輸入の許可)の( ハ )その他これに準ずる関税に関する法律の規定に基づく( ハ )で政令で定めるものをさせるときは、当該通関業者又はその( ニ )の( ホ )を求めるため、その旨を当該通関業者に通知しなければならない。

 

@ 確 認 A 許 可 B 検 査

C 従業者 D 審 査 E 審査及び検査

F 税関職員 G 税関手続 H 代理人

I 立会い J 通関士 K 通関手続

L 同 意 M 輸出者又は輸入者 N 輸出申告又は輸入申告

 

イはEかK。通関業だからKとする。

ロは、ハの答えで決まるので一旦保留。

ハは、67条の( )であるからBとなる。迷うとするEだが、審査は出てきた書類でできるので通関業者への通知は不要。またNにすると税関長が誰かに申告させることになるので不適当。

ハが検査であるので、検査をするのはFの税関職員となる。

ニは通関業者のであるからC、H及びJが候補。通関士のいない場合もあるのでJではなく、CとHを比較すると代理人ではおおげさなのでCとなる。

ホは検査において行うのはIの立会いしかない。税関が行う検査に通関業者の確認や同意は不要である。また仮に同意とする場合は、通関業者又はその従業者でなく、通関業者のみになるからこれからも違うことになる。

 

 

第4問 次の記述は、通関業法第13条(通関士の設置)の規定に関するものであるが、その記述の正しいものはどれか。すべてを選び、その番号をマークしなさい。

 

1.通関士の設置を要する地域にある営業所であっても、通関業の許可の条件としてその取り扱う貨物が一定の輸出者又は輸入者のものに限られている場合には、通関士の設置を要しない。

2.通関士の設置を要する地域にある営業所の責任者は、通関士であることを要しない。

3.通関士の設置を要する地域にある営業所にあっては、当該営業所における通関業務取扱件数に応じ、税関長が指定した人数の通関士を設置しなければならない。

4.通関士の設置を要する地域にある営業所であっても、その営業所における通関業務の量からみて専任の通関士の設置を要しないものとして税関長の承認を受けた場合には、通関士は専任であることを要しない。

5.通関士の設置を要する地域にある営業所であっても、通関業の許可の条件として期限が付されている場合には、通関士の設置を要しない。

 

1は誤り。貨物限定の場合は通関士の設置義務が免除されるが、輸出入者限定というのはない。(通関業法第13条)

2は正答。責任者の資格については通関業法には規定がない。本社なら担当役員。支店なら支店長とするのみである(通関業法基本通達4-3

3は誤り。設置する人数については、通関業法基本通達15-3で「営業所ごとの通関業務に従事する者10名までごとに専任の通関士を1名以上(適正かつ迅速な通関手続の実施を確保するため、なるべく複数名)置くよう指導するものとする」とあるだけで義務的な規定はない。

4は正答。(通関業法施行令第4条)

5は誤り。通関業の許可の条件として期限が付されている場合は、設置義務免除に該当しない。なお、許可期限は基本的に当初許可又は監督処分が行われた場合に付される(通関業法基本通達3-5

 

第5問 次の記述は、通関業法の規定に基づき通関業者及び通関士等に課せられている義務に関するものであるが、その記述の正しいものはどれか。すべてを選び、その番号をマークしなさい。

 

1.通関業者は、営業所の管理者及び通関士の氏名を当該営業所において依頼者の見やすいように掲示しなければならない。

2.通関士には通関業務に関して知り得た秘密を守る義務が課せられていることから、専任でない通関士であっても、他の通関業者の通関士を兼ねることはできない。

3.通関士は、通関士でなくなった後であっても、正当な理由がなくて、通関業務に関して知り得た秘密を他に漏らし、又は盗用してはならない。

4.通関業者は、通関業務に関する料金の受領を証する書類の写しを、作成の日後3年間保存しなければならない。

5.営業所の責任者は、その職に就く前に、通関業務に関する研修を受けなければならない。

 

1は、料金の額の掲示義務(通関業法第18条第1項)はあるが管理者や通関士の氏名の掲示義務はない。

2はそのような規定はない。

3は、正答(通関業法第19条後段)。なお守秘義務の性格から一旦知りえた秘密は、当該職を退いた後も守る必要があるので、その各法律によってそのように規定されている(例:国家公務員法第100条第1項後段、刑法第134条)。

4は、正答(通関業法施行令第8条第2)。問題としては保管義務は当然あるとして保管年限はどうだったか迷うところである。

5は、そのような規定はない。あってもいいとは思いますが。税関関係の法令では特定の研修の受講を義務付けた規定は存在しない。ただし特例輸入者等のCPのなかで研修の実施規定を盛り込むように要請している規定は存在する。(関税法施行規則第1条の21号ホ)。

 

第6問 次の記述のうち、通関業法第6条(欠格事由)に規定する通関業の許可の欠格事由に該当するものはどれか。すべてを選び、その番号をマークしなさい。

 

1.破産した後に復権を得た者であって、当該復権を得た日から1年を経過しないもの

2.公務員で懲戒免職の処分を受け、当該処分を受けた日から2年を経過しないもの

3.通関業法第35条第1項(通関士に対する懲戒処分)の規定により通関業務に従事することを禁止された者であって、その処分を受けた日から2年を経過しないもの

4.港湾運送事業法又は道路運送車両法の規定に違反する行為をして罰金の刑に処せられた者であって、その刑の執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から2年を経過しないもの

5.不正の行為により消費税を免れ罰金の刑に処せられた者であって、その刑の執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から3年を経過しないもの

 

1は、誤り。破産後復権すれば欠格事項からはずれる。(通関業法第6条第2号)

2は正答。(通関業法第6条第7号)。懲戒免職による欠格期間は2年というのが通常である。

3は正答。(通関業法第6条第6号)。

4は誤り。罰金関係で欠格事由となるのは、通関業法、関税法(第108条の4から第112条)並びに他の税法による不納付罪及びほ脱罪のみであり、それ以外の場合は禁固以上の刑に処された場合である。(通関業法第6条第3号から第5号)港湾関係の法令違反について厳しくとりあつかってもいいとも思うが、やはり財務省の法律。税法以外はすべて一般の世界である。(ただし20年度改正で新設された特例保税運送者の場合は、基礎の資格に応じて港湾運送事業法等の違反が欠格理由となった。)

5は、正答(通関業法第6条第4号ロ)

 

第7問 次の記述は、通関業者に対する監督処分又は通関士に対する懲戒処分に関するものであるが、その記述の正しいものはどれか。すべてを選び、その番号をマークしなさい。

 

1.何人も、通関業者に監督処分の事由となるべき法令違反の事実があると認めたときは、税関長に対し、その事実を申し出て、適当な措置をとるべきことを求めることができる。

2.税関長は、通関業者の従業者が行った違反行為により当該通関業者に対し監督処分をしようとするときは、当該違反行為を行った従業者の意見を聞かなければならない。

3.税関長は、通関業者の役員について、関税法の規定に違反する行為があった場合であっても、当該通関業者の責めに帰すべき理由がないときは、当該通関業者に対し監督処分をすることはできない。

4.税関長は、通関士に対する懲戒処分をしようとするときは、審査委員の意見を聞かなければならない。

5.税関長は、通関士に対する懲戒処分として3年間その者が通関業務に従事することを禁止することができる

 

1は正答。(通関業法第36条)

2はあやまり。通関業者の処分については審査委員、通関士の処分についてはその業務に従事する通関業者の意見を聞く規定(通関業法第37条第1項)はあるが、従業者の意見を聞く規定はない。

3は正答。(通関業法第34条第1項第2)

4は誤り。2の解説参照。

5は誤り。従事禁止期間は2年である(通関業法第35条第1項)

 

第8問 次の記述は、通関業法第2条(定義)に規定する通関業務及び第7条(関連業務)に規定する関連業務に関するものであるが、その記述の誤っているものはどれか。一つを選び、その番号をマークしなさい。なお、誤っている記述がない場合には、「0」をマークしなさい。

 

1.特例輸入者の承認申請手続及び特定輸出者の承認申請手続は、いずれも通関業務である。

2.本邦と外国との間を往来する船舶への内国貨物である船用品の積込承認申告手続は、通関業務である。

3.外国貨物を保税地域以外の場所に置くことの許可申請手続は、関連業務である。

4.関税に関する納税申告手続に併せてする消費税に関する納税申告手続は、関連業務である。

5.外国貨物を仮に陸揚げする場合の届出手続は、関連業務である。

 

1は正答(通関業法第2条第1号イ(1)()及び()

2は正答(通関業法第2条第1号イ(1)()

3は正答(通関業法第2条第1号に該当せず、輸入申告に先行するから関連業務)。

4は正答(通関業法第2条第1号に該当せず、輸入申告に関連するから関連業務)。

5は正答(通関業法第2条第1号に該当せず、輸入申告に先行するから関連業務)。なお、通関業法基本通達7-1(1)で例示されている。

この問は「0」をマーク。

この問題、意外と実務者が間違いやすいかも知れない。2の船用品積み込み承認事務は、通関業務であるが実際に通関業者が手続をすることはめったにないからである。普通は船用品業者が手続をしている。ではなぜ通関業法上問題とならないかというと線用品業者は、船用品の積み込みを行う当事者であって他人の代理として申請しているわけではないので通関業法に抵触しないのである。

 

 

第9問 次の記述は、通関業法第9条に規定する営業区域の制限に関するものであるが、その記述の誤っているものはどれか。一つを選び、その番号をマークしなさい。なお、誤っている記述がない場合には、「0」をマークしなさい。

 

1.通関業者は、同一人から依頼を受けた通関業務で相互に関連する業務を通関業の許可に係る税関以外の税関の税関官署に対して行うときは、当該業務に該当する旨を通関書類に付記し、又は口頭で申し出なければならない。

2.通関業者は、関税法第67条の3第2項(輸出申告の特例)に規定する特定輸出申告と、当該申告に係る貨物を外国貿易船等へ積み込む場合における税関職員への書類の提示を、税関の管轄区域を越えて行うことができる。

3.通関業務を行うことができる地域を限定する条件が付されている通関業者は、同一人から依頼を受けた通関業務その他税関官署に対する手続で相互に関連する業務を行う場合を除き、その限定された地域以外の地域において通関業務を行うことができない。

4.通関業者は、通関手続を依頼した者の所在地が通関業の許可に係る税関の管轄区域外である場合には、当該所在地において通関業務を行うことができる。

5.通関業者は、同一人から依頼を受けた通関業務で相互に関連する業務を行う場合を除き、通関業の許可に係る税関の管轄区域外において通関業務を行うことができない。

 

1は正答。(通関業法施行令第2条)

2は正答。(通関業法基本通達9-1

3は正答(通関業法第9条)

4は誤り。通関業第9条ただし書きに該当しない。

5は正答(通関業法第9条)

通関業法第9条でむりやり5問作ったようです。依頼者の所在地は関係しないことは明らかであるから4が回答なので易しい問題。

 

10問 次に掲げる書類のうち、通関業法第14条の規定に基づく通関士の審査及び記名押印を要しないものはどれか。一つを選び、その番号をマークしなさい。なお、該当するものがない場合には、「0」をマークしなさい。

1.関税法第89条第1項(異議申立て)に規定する異議申立てに係る異議申立書

2.特例申告書

3.輸入許可前貨物引取承認申請書

4.積戻し申告書

5.特定輸出者承認申請書

通関士の審査を要する書類は通関業法施行令第6条に規定されている。この範囲は通関手続又は不服申し立てに関する書類(通関書類)のなかで規定されているが、輸入許可前貨物引取承認申請は、輸入申告から許可までの間に行われるため通関手続ではあるが、通関士の審査及び記名押印を要するのは、通関業法第2条第1号イの()から()に掲げる申告又は申請に係る申告書又は申請書であって、その過程で付随的に行われるものは含まれないので通関士の審査及び記名押印を要しない。

 

11問 次の掲げる帳簿又は書類のうち、通関業法第22条(記帳、届出、報告等)の規定に基づく一定期間保存すべき義務が課されていないものはどれか。一つを選び、その番号をマークしなさい。なお、該当するものがない場合には、「0」をマークしなさい。

 

1.通関業務に関し、依頼者から依頼を受けたことを証する書類

2.通関士の異動内容を記載して税関長に提出した届出書の写し

3.通関業務に関する料金の受領を証する書類の写し

4.通関業務に関し、財務大臣に提出した審査請求書の写し

5.通関業務の収入に関する事項を記載した帳簿

 

通関業法に基づく書類保管を要する書類は通関業法施行令第8条第2項に規定されている、これはもともと関業法第22条の規定に基づく保存義務は、「通関業務に関する書類」であり、通関士の異動届けは「通関業務に関する書類」ではないから対象にならない。別の見方では通関業監督官がもっている書類は保管義務の対象ではない。

 

12問 次に掲げる場合のうち、通関業法第32条(通関士の資格の喪失)の規定により、通関士がその資格を喪失するものはどれか。一つを選び、その番号をマークしなさい。なお、該当するものがない場合には、「0」をマークしなさい。

 

1.通関士が通関業法の規定に違反し、通関業務に従事することを1年間停止する旨の懲戒処分を受けた場合

2.通関士が通関業務以外の業務を兼務することとなった場合

3.通関士が関税法の規定に違反し、税関長による戒告処分を受けた場合

4.通関士が疾病により2月以上通関業務に従事できなくなった場合

5.通関士が偽って所得税を免れ、所得税法の規定により罰金の刑に処せられた場合

 

通関士がその資格を喪失するのは、通関業法第32条に規定するとおりであるが、おおまかにまとめると、業務に従事しない、欠格事由に該当する、試験合格が取り消し、確認が不正であった場合である。

1は、資格停止であるが喪失ではなく停止期間後自動的に復帰できる。(通関業法基本通達35-1(2)ただし書き)。

2は、兼務しても通関業務を行っている限り業務に従事しない場合にならない。

3は、戒告は処分ではあるが停止より軽く、業務に従事することに問題はない。

4の場合、職にあるかぎり「業務に従事しない」に該当しないとされている(通関業法基本通達32-1(2)

5は、欠格事由の第6条第4号ロに該当するので資格を喪失する。

ところで所得税法違反で罰金になるためには相当な額の脱税が必要で、おおむね1000万円以上といわれている高額脱税して査察部のやっかいにならない限り普通はないので、この規定で資格をなくした人はまずいないと思います(だいたい普通のサラリーマンである通関士がよほどうまみにある副業でもしないとそもそもそんなに稼げない。)。

しかし意外とあぶないのが、海外旅行であぶない土産(薬物・銃器は論外ですが、ポルノでひっかかる人がいます)や、通販でDVDを買って(それが海外から送付されていた場合)、税関の通告処分を受けた場合で本人は通関士資格を3年間失うし、万が一役員の場合は会社の通関業の取消しにもなりかねません。

もちろんまじめに勉学にはげんでいるみなさんには関係ないことですが。

 

13問 次に掲げる通関業法上の罪のうち、同法第45条の規定(罪となる行為をした者のほか、その者が属する法人について罰金刑を科す規定)の対象とされていないものはどれか。一つを選び、その番号をマークしなさい。なお、該当するものがない場合には、「0」をマークしなさい。

 

1.通関業法第17条(名義貸しの禁止)の規定に違反してその名義を他人に使用させる罪

2.通関業法第18条第2項(料金の掲示等)の規定により財務大臣がした定めに反して料金を受ける罪

3.通関業法第35条第1項(通関士に対する懲戒処分)の規定による通関業務に従事することの停止の処分に違反して通関業務に従事する罪

4.通関業法第3条第1項(通関業の許可)の規定に違反して通関業を営んだ罪

5.通関業法第9条(営業区域の制限)の規定に違反して通関業を営むことができる地域以外の地域において通関業を営んだ罪

通関業法第45条のいわゆる両罰規定の問題である。法文をみれば明らかであるが、両罰規定の対象でないのは、第45条第1項第3号(秘密を漏らす罪)、第42条第2号(通関業に従事停止又は禁止に違反して従事する罪)、第44条第2号(通関士の名義貸し違反)であり、いずれも会社の業務より個人の違反と認めるべきものである。

なお名義貸しは第17条の通関業者の名義貸し違反は両罰の対象であるが、第33条の通関士の名義貸しは両罰の対象ではなく、出題のとき(名義貸しの禁止)としか表示しないので条文番号で区別する必要があるので要注意である。