去年に続き、推理(というか読解力)だけでここまで解ける解説です。ただしく条文を覚えていればいわずもがなところもありますが、迷ったら推理です。

今年は私の感じた難易度をつけてみました。あくまで個人の主観です。(何かのCMみたい(笑))

通関業法

1問は、通関業務についてです。

第1問 次の記述は、通関業法第2条第1号に規定する通関業務又は第7条に規定する関連業務に関するものであるが、(   )に入れるべき最も適切な語句を下の選択肢から選び、その番号をマークしなさい。

1 通関業務とは、他人の依頼によってする関税法第67条の規定に基づく輸出又は輸入の( イ )の手続や( 口 )の承認の申請から承認を得るまでの手続等につき、その依頼をした者の代理をする事務をいう。

輸入の許可後に行われる関税の確定及び納付に関する手続は、通関業務に( ハ )。

2 認定通関業者は、その通関業務として、関税法その他関税に関する法令によってされた処分につき、行政不服審査法又は関税法の規定に基づいて、税関長又は財務大臣に対してする( 二 )の手続の代理をすることができる。

3 通関業者は、通関業務のほか、その関連業務として、通関業者の名称を用いて、他人の依頼に応じ、通関業務に( ホ )し、後続し、その他当該業務に関連する業務を行うことができる。

@ 異議申立て A 関 連 B 申告から許可を得るまで

C 申告から検査が終わるまで D 申告から船積みまで E 審査請求

F 申請から許可を得るまで G 先 行 H 特定輸出者又は特定保税運送者

I 特定輸入者又は特定保税運送者J 特例輸入者又は特定輸出者K 含まれない

L 含まれる M 不服申立て N 並 行

回答 イ―B ロ−J ハ−L ニ−J ホ−L

難易度−易

まずイ、「関税法第67条の規定に基づく輸出又は輸入の(  )手続き」です。考えられる選択肢は「申告から」に始まるBからD。許可、検査、船積みのいずれかまでです。検査ではまだ終わっていないし、船積みでは輸入がカバーできないし、船積みは基本的に税関の手続きでないことが大部分。よって許可まで。なおそのあとの設問で申請から承認を得るまでとの並びからもBの申告から許可までとなる。

ロは、イの設問に続く{(  )の承認の申請から承認を得るまで}です。承認とあるので、保税蔵置場に貨物を置くことのたぐいかと思いましたが、選択肢になく、AEO関係のHからJ.特定輸出者、特定保税運送者、特例輸入者のうち二つの組み合わせ。通関業務は輸出入だから「特定輸出者又は特例輸入者」のJ.

ハは、輸入許可後の関税の確定及び納付の手続きが通関業務に含まれる(L)か、含まれない(K)かです。通関業法基本通達2-2(2)に明示的に含むとしていますから、答えはあきらかですが、この根拠はもともと、通関業法第2条第1号イ(1)に「関税の確定及び納付の手続を含む。」とあるから含まれるとされているものの、この条文は「申告又は承認の申請からそれぞれの許可又は承認を得るまでの手続き(関税の確定及び納付の手続を含む。)とあり、申告から許可までの過程における関税の確定及び納付の手続のみを含むとも解せないことはなく、通関業法基本通達2-2(2)は、「輸入許可後の関税の確定及び納付の手続き・・・は通関業務に踏むもものとする。」とあいまいな規定ぶりです。推理は、通関士の審査が必要な書類に特例申告書や修正申告書があることから含まれるでしょうか。なお、選択肢の順は「含まれない」、「含まれる」の順です。なんのことはないのですが、「含まれる」、「含まれない」とするのが普通でうっかり錯覚するとアルトです。

ニは、関税法に対する処分についての出題。行政不服審査が、全体が不服申立てで、そのなかに処分庁に対する異議申立て、上級庁に対する審査請求等があることがわかっていればなんのことはないが、知らないとことです。読解だけで不服申立てが一番広い概念ととらえるのは難しい。

ホは、関連業務の問題で、「通関業務に(  )し、又は後続し・・・」となっています。後続と対になるのはGの「先行」しかないと推理(読解)します。


第2問は、信用失墜行為。

第2問 次の記述は、通関業法第19条(秘密を守る義務)及び第20条(信用失墜行為の禁止)の規定に関するものであるが、(   )に入れるべき最も適切な語句を下の選択肢から選び、その番号をマークしなさい。

法人である通関業者の( イ )及び通関士その他の( ロ )は、( ハ )がなくて、通関業務に関して知り得た秘密を他に漏らし、又は( ニ )してはならない。

また、法人である通関業者の( イ )及び通関士は、通関業者又は通関士の信用又は( ホ )を害するような行為をしてはならない。

@ 依頼者の利益 A 依頼者の了解 B 監査役

C 関係者 D 公 開 E 社会的地位

F 職 員 G 正当な理由 H 税関長の承認

I 通関業務の従業者 J 盗 用 K 取締役

L 品 位 M 役 員 N 利 用

回答 イ―M ロ−I ハ−G ニ−J ホ−L

難易度−易

 

イ、ロ、ハは、「法人である通関業者の( イ )及び通関士その他の( ロ )は( ハ )がなくて、」です。

まず、イであるが、「法人である」というまくらがあるとほとんど「役員」となる。これで答えがでてしまうが、このことを知らないとまた「及び通関士その他の」と続くから従業員ではなく役員と推理するのか。取締役もまようが監査役もあり、また法人によっては理事と別の名称の役員もいることから一番包括的な役員を妥当する。

ロに該当しそうなものは、C関係者、F職員、I通関業者の従業者の3つ。関係者では範囲が漠然としていて違う、FとIは迷うところだが、職員では範囲がひろすぎるのと、関税法関係では従業者という表現しかないのでIとする。

ハは秘密をだしてよい例外的ケースを問うもの。「秘密」とあると「正当な理由なくして」はおきまりのまくらことばではあるが、これを知らない場合、可能性のあるものはA依頼者の了解 G正当な理由 H税関長の承認の3つ。公的調査に回答する場合を考えるとAは妥当でなく、税関長の承認もやや大げさ、よって正当な理由とする。

ニは、「秘密を漏らし、又は」に続く語。可能性のあるのはD公開、J盗用、N利用。公開では漏らすことと同じだから、残るは二つ、より不正の感がある盗用とする。

ホは、信用又は(  )を害する行為。E社会的地位とL品位が考えられるが、釈迦的地位を害する行為を法律で規定することはなさそうなので品位とする。


第3問は欠格事由。

第3問 次の記述は、通関業法第6条(欠格事由)の規定に関するものであるが、(   )に入れるべき最も適切な語句を下の選択肢から選び、その番号をマークしなさい。

税関長は、許可申請者が次のいずれかに該当する場合には、通関業の許可をしてはならない。

1 ( イ )であって復権を得ないもの

2 ( ロ )以上の刑に処せられた者であって、その( ハ )を終わり、又は( ハ )を受けることがなくなってから( ニ )を経過しないもの

3 通関業法の規定に違反する行為をして( ホ )の刑に処せられた者であって、その刑の( ハ )を終わり、又は( ハ )を受けることがなくなった日から( ニ )を経過しないもの

@ 2 年 A 3 年 B 5 年

C 科 料 D 過 料 E 禁 錮

F 拘 留 G 執 行 H 処 分

I 成年被後見人 J 通関業の許可を取り消された者 K 適 用

L 破産者 M 罰 金 N 没 収

回答 イ―L ロ−E ハ−G ニ−A ホ−M

難易度−易

欠格事由については、毎年何らかの形で出題されるが、関税法の保税地域の許可やAEOの欠格事由と微妙に異なりやっかいなものです。

まずイは、(  )であって復権を得ないもの。復権を得ないものというと頭につくのは「破産者」しかない(100以上の法令ですべてそうである)が、あえて可能性を検討するとほかにJ通関業者の許可を取り消された者I成年被非後見人ぐらいだが、許可取り消しの場合は、取り消しから何年となるし、成年被後見人はその状態が取り消されない限り続くのでいずれも復権に結びつかない。

ロは、(   )以上の刑を選択。可能性のあるのは、C科料 E禁錮 F拘留 N罰金の4つである。なおD過料は、行政制裁であって刑ではない。

法律を限定しない場合、欠格事由となるのは禁錮以上といのが普通である。これは交通違反等の罰金まで欠格事由にすると範囲が広すぎるためである。これを考えればDとなる。なお、選択肢に懲役があると、禁錮と懲役のどちらが重いか(懲役のほうが重い)迷うところだがそういう出題はないようである(今後ないかは保証しません)。

ハは、「(  )を終わり、または(  )を受けることがなくなって」で二つのかっこ内は同じ語である。G執行 H処分 K適用が考えられるが、執行猶予を思い出せば、刑は執行となる。

ニは欠格期間。@2年 A3年 B5年から選択。まず欠格期間で5年というのは(少なくとも関税法、通関業法では)ないので2年か3年。これは両方あるので迷うところ。ニがもう一箇所あるので保留。

ホは、通関業法違反の場合。先の段落ですべての法令につき禁錮以上を答えているのここは罰金となる。

刑に処された場合の欠格期間は、関税法の保税やAEO事業者でも関税法違反は罰金以上(通告処分を含む)は3年としているので、この並びから通関業法違反で罰金は3年。また通関業法違反で懲役の場合も他の法令と同じ扱いなのでここでも欠格期間3年と考える。


第4問は通関業法の目的。

第4問 次の記述は、通関業法第1条(目的)の規定に関するものであるが、(   )に入れるべき最も適切な語句を下の選択肢から選び、その番号をマークしなさい。 

通関業法は、通関業を営む者についてその業務の( イ )、通関士の設置等必要な事項を定め、その業務の( ロ )な運営を図ることにより、( ハ )の申告納付その他貨物の( ニ )に関する手続の( ロ )かつ( ホ )な実施を確保することを目的とする。

@ 円 滑 A 関 税 B 関税及び消費税

C 関税・内国消費税及び地方消費税 D 管 理 E 基 準

F 規 制 G 規 則 H 効果的

I 効率的 J 迅 速 K 通 関

L 的 確 M 適 正 N 貿 易 

回答 イ―F ロ−M ハ−A ニ−K ホ−J

難易度−やや易

実のとこと、私は趣旨とか目的の規定は実質的に意味がないと決め込んでほとんど見ていませんでした。

従って私自身が推理で答えるはめに陥りました。結果は一つ間違えました。

イは、通関業法は、通関業を営む者についてその業務の( イ ),・・・を定め」。さて何を定めるか?

可能性のありそうなものはD 管理 E 基準F 規制 G 規則の4つ。管理を定めるのは公共財産とかで民間の業にはなじまないから違う、規則も法律は規範であるから同義反復。残るは基準か規制のどちらか。最近の法律が基準的な流れが主流で規制ではどきついと思って、基準にしましたが正解は規制。通関業法制定年代(昭和42年)と業法は規制法であることを考えれば迷わず規制とすべきでした。

ロは「その業務の( ロ )な運営」。ここは適正以外はいりそうも内規がしますがいかがですか。

ハは、申告納付すべきものが、A 関税 B 関税及び消費税 C 関税・内国消費税及び地方消費税 のどれであるか。

税関における消費税を中心とする内国消費税の徴収額からBやCにしたくなるが、通関士試験問題に外為法はあっても内国消費税法がないこと、内国消費税の申告は通関業務でないことからもここは関税だけである。

ニは、K 通関 のほかに N 貿易も考えられるが、通関業法だからやはり通関しかない。

ホは「手続の( ロ )かつ( ホ )な」となる部分、このうちロはすでに適正がはいるとしている。適正かつ迅速は税関のキャッチフレーズであるのが、通関業法の制定のころから迅速をモットーにしていたかやや不安であったが、手続きのH 効果的 やI 効率的 は言葉のつながりが悪いし、L 的確 では適正と同じようなことになるのでやはり迅速と判断して正解でした。

 


第5問 次の記述は、通関業の許可の消滅又は取消しに関するものであるが、(   )に入れるべき最も適切な語句を下の選択肢から選び、その番号をマークしなさい。

 

1 認定通関業者である法人が合併又は破産手続開始の決定以外の理由により( イ )したことにより通関業の許可が消滅したときは、( ロ )は、遅滞なくその旨を税関長に届け出なければならない。

2 税関長は、通関業の許可の取消しをしょうとするときは、( ハ )の意見を聞かなければならない。

3 税関長は、通関業の許可が消滅したときは、遅滞なくその旨を( ニ )しなければならない。

4 通関業者が破産手続開始の決定を受けたことにより通関業の許可が消滅した場合において、現に進行中の通関手続があるときは、当該手続については( ホ )が引き続き当該許可を受けているものとみなす

@ 解 散 A 株 主 B 監査役

C 公 告 D 財務大臣に報告 E 試験委員

F 審査委員 G 清算人 H 専門委員

I 他の税関長に通知 J 通関業を廃止 K 通関士

L 当該許可を受けていた者 M 倒 産 N 役員であった者 

回答 イ―@ ロ−G ハ−F ニ−C ホ−L

難易度−やや易

まず1で認定通関業者とありますが、認定通関業者は、通関業者のうち、税関長の認定を受けると特定委託輸出申告等ができる関税法上の制度で、通関業法は特に規定がないので通関業者一般の出題と考えてください。以下他の問題でも同じ。

イの許可消滅原因として@ 解 散とJ 通関業を廃止が考えられる。実は、関税法施行令第12条は、通関業法の廃止の場合に通関業法であった法人の役員であった者に届出義務を課しておりイがJ、ロがQとしたくなる。しかし合併又は破産手続開始の決定以外の理由とあるため、合併又は破産手続開始の決定によってなにが起こるかを考えると会社の解散であって、業務の廃止ではないことからイは、解散となり、この場合の届出義務者は、N役員であった者にしたくなる(私も間違えてそう回答した)が、解散により清算人が置かれる場合は、残務整理をするのは清算人であるのでロはGとなる。合併の解散の場合は許可を受けていた通関業者を代表する役員が届出義務者だからややこしい。

ハの意見を聞く相手であるが、E 試験委員F 審査委員 H 専門委員が候補(株主や通関士はあきらかに違いそう。)。委員もいろいろあるが試験委員は、通関士試験担当、専門委員は、不正商品の関係で置かれており、通関業者の処分は審査委員となる(迷ったら処分だから審査と発想する)。

ニは、許可消滅の際に税関長が行うこと、一般に知らしめるためにC 公告 となる、他の可能性はD 財務大臣に報告であるが、関税法関係で大臣報告が規定されているのは保税地域の変更(財務大臣から税関長へ権限委任されたもの)の場合だけで、この場合も公告は行われる。

ホは、許可消滅の場合に継続中の事案を行うために引き続き当該許可を受けているものとみなされるものは誰かである。破産の場合であるのですこしとまどうが、通関業法は許可消滅の場合は同じようにL 当該許可を受けていた者としている。

なお、合併の場合は合併後の法人、個人の死亡の場合は相続人になる。

参考までに、通関業法の場合は、許可取消の場合は業務の続行はできないのに対し、保税地域の場合は、許可取消の場合でも外国貨物がある場合は、当該貨物については保税地域とみなされるが、これは問題があって取消のなった場合、通関手続きを行わせるのは適当でないのに対し、保税の場合は現在存在している貨物については管理を続行させる必要があるからである。


第6問 次の記述は、通関業の許可及び営業所の新設に関するものであるが、その記述の正しいものはどれか。すべてを選び、その番号をマークしなさい。

1 弁護士がその職務として通関業務を行う場合には、通関業の許可を受けることを要しないが、当該弁護士の居住地を管轄する税関長に通関業務を行う旨を届け出なければならない。

2 税関長は、通関業の許可に、通関業法の目的を達成するために必要な最少限度の条件を付することができる。

3 通関業の許可を受けようとする者は、通関業務を行おうとする営業所ごとに置こうとする通関士の数を許可申請書に記載しなければならない。

4 税関長は、営業所の新設を許可しようとするときは、許可申請に係る営業所の経営の基礎が確実であることを審査しなければならない。

5 通関業者は、その通関業の許可に係る税関の管轄区域内において、通関業務を行う営業所を新たに設けようとするときは、その営業所の所在地を管轄する税関長の許可を受けなければならない

回答 2,3,5

1 ×(適用除外は通関業法第3条第5項に規定があるが、業務の届出の規定はない)

2 ○(通関業法第3条第2項)

3 ○(通関業法第4条第1項第3号)

4 ×(通関業の許可基準の通関業法第5条第1号の経営の基礎が確実を営業所の新設についての第8条第2項で準用していない)

5 ○(通関業法第8条第2項)

難易度−やや難

選択式で正しいものをすべて選べは、選択肢すべてに正しい判断をしなければならないのでしんどい(択一式なら一つ確実なものがあれば回答できる)です。

まず正しいほうから拾っていきます。2は、地域限定や貨物限定があり○。5は営業所も許可がいるから○。

次に×を見ます。1の弁護士や弁理士はその職務として行う行為(主として不服申し立て関係)は、通関業の許可を要しないと理解しているとして、何らかの手続きがいるのか?迷うところですが弁護士が行う通関業務は限定的であることから不要と判断。

4の営業所の新設を許可の審査で、許可申請に係る営業所の経営の基礎が確実であることを行うか?経営の基礎は基本的に法人全体の問題で営業所単位ではないから×。

2対2です。これが3対1とあればたぶん残りは少ないほうと山をはるところです(ただし今年の通関実務第3問で、正しいものが4つありました。テクニックの裏をかかれました)が、2対2です。

通関業の許可で通関士の数を記載する必要はあるか?通関士の設置義務はあるが数は任意であるから申請書に記載するまでもないと思い×しましたが、間違いました。

ここは推測がききませんでした(よく見ていなかったのが敗因です)。


第7問 次に掲げる書類のうち、通関業法第14条の規定に基づく通関士の審査を要するものはどれか。すべてを選び、その番号をマークしなさい。

 

1 保税展示場における外国貨物の展示に係る承認の申告書

2 保税作業における外国貨物と内国貨物との混用の承認の申請書

3 関税法第69条の23項の規定による輸出してはならない貨物に該当する旨の通知に対する審査請求に係る書類

4 関税の納期限延長に係る申請書

5 特定輸出者が輸出をしょうとする貨物に係る輸出申告書

回答 1,3,5

1 ○(通関業法施行令第6条第1号(通関業法第2条第1号イ⑴()の申告書)

2 ×(通関業法第2条第1号に規定する通関業務にあたらない)

3 ○(通関業法施行令第6条第2号(通関業法第2条第1号イ⑵の不服申立書)

4 ×(通関業法第2条第1号のかっこ書により通関業務には含まれるが()から()までの手続きでないので通関業法施行令第6条第1号に該当しない。)

5 ○(通関業法施行令第6条第1号(通関業法第2条第1号イ⑴()の申告書))

難易度−やや易

通関手続きは保税部門で行う手続きは含まれないことを念頭におけば1と2の区別はあきらかだろう。

3については、不服申し立ては、関税法関係では、異議申立と審査請求の二つであることを頭におけばたやすい。

4については、通関業法施行令第6条第1号には納税関係の手続きを含まず、別途第3号と第4号で特定申告書、修正申告書及び更正請求書を審査対象書類にしていことを理解する。

5については輸出申告が審査対象であることは一番の基本であるが、特定輸出者がとくるとすこしとまどう。ややひっかけであるが、特定輸出申告については、保税地域に入れないで申告する特例として関税法に規定していることから通関士の審査については何ら例外ではないことを押える。

 


第8問 次の記述は、通関士の資格の喪失に関するものであるが、その記述の正しいものはどれか。すべてを選び、その番号をマークしなさい。

 

1 通関士が、通関業法第31条第1項の確認を受けた通関業者である法人を退職し、当該通関業務に従事しなくなったときは、その通関士の資格は喪失する。

2 通関士が従事する営業所が廃止されたときは、その通関士の資格は喪失する。

3 通関士が、通関業務に加え通関業務以外の業務にも従事することとなったときは、その通関士の資格は喪失する。

4 通関士が破産者となったときは、その通関士の資格は喪失する。

5 通関士が禁錮以上の刑に処せられた場合であっても、その刑の執行が猶予されたときは、その通関士の資格は喪失しない。

回答 1,4

1 ○(通関業法第32条第1号)

2 ×(営業所が廃止されてもそれだけでは通関業法第32条第1号に該当しない。関業法基本通達321⑵あるように退職や他の業務への転出があって始めて喪失となる。)

3 ×(通関業務に加え通関業務以外の業務にも従事するだから、通関業務に従事していることには変わりないので通関業法第32条第1号に該当しない。通関業法基本通達321⑵ロかっこ書参照。)

4 ○(通関業法第32条第3号(第6条第2号該当))

5 ×(通関業法第32条第3号(第6条第3号該当)の場合に執行猶予を除外する規定はない。)

難易度−易

 


第9問 次の記述は、通関業法第22条に規定する通関業者の記帳、届出、報告等の義務に関するものであるが、その記述の正しいものはどれか。すべてを選び、その番号をマークしなさい。

 

1 通関業者は、通関業法第7条に規定する関連業務については、帳簿を設ける必要はない。

2 認定通関業者は、税関長から交付された認定に係る通知書を保存しなければならない。

3 通関業者は、通関士以外の通関業務の従業者に異動があった場合には、その異動を税関長に届け出なければならない。

4 認定通関業者は、通関業務に関する定期報告書について、税関長への提出に代えて、これを保存することが認められている。

5 通関業者は、通関業務に関し税関官署に提出した申告書の写しをマイクロフィルムにより保存することができる。

 

回答 3,5

1 ×(通関業法第2条第1号に規定する通関業務にあたらない)

2 ×(そのような規定はない)

3 ○(通関業法第22条第2項で通関士その他の通関業務の従業者と規定)

4 ×(そのような規定はない。認定通関業者は関税法上の制度で通関業法では他の通関業者と変わらないあつかいである。)

5 ○(通関業法基本通達222なお書)

難易度−やや難

私はここで間違えてしまいました。1で関連業務の範囲が管理広いことが頭にあってこれまで記帳するとしんどいと思って不要としましたが間違いでした。

2について補足。認定通関業者の認定書に限らず通関業者の許可書も(捨てる人はいないでしょうが)保存義務はない。許可した税関は資料があるから問題ないとの理解か。

 


10問 次の記述は、通関業法第2条第1号に規定する通関業務及び第7条に規定する関連業務に関するものであるが、その記述の正しいものはどれか。すべてを選び、その番号をマークしなさい。

 

1 認定通関業者が行う保税運送の承認申告手続は、通関業務である。

2 認定通関業者が行う外国貨物を保税工場に置くことの承認申請手続は、通関業務である。

3 認定通関業者が行う輸入の許可前における貨物の引取りに係る承認申請手続は、通関業務である。

4 認定通関業者が行う輸入差止申立てに対する意見書の提出は、通関業務である。

5 認定通関業者が行う保税蔵置場の許可申請手続は、関連業務である。

 

回答 2,3,5

1 ×(通関業法第2条第1号に規定する通関業務に含まれていない。)

2 ○(通関業法第2条第1号イ⑴()に規定する承認の申請)

3 ○(通関業法第2条第1号イ⑴()の申告ついて申告から許可までの間の手続きのため通関業務。)

4 ×(処分についての不服申し立てなら通関業務だが、差止申立に関連する手続きは通関業務ではない。)

5 ○(通関業法基本通達71⑴ホ)

難易度−易

認定通関業者は関税法上の制度で通関業法では他の通関業者と変わらないあつかいである、

ここでも通関手続きは保税部門で行う手続きは含まれないことを念頭におけば1と5が誤りとわかるだろう。

不正商品関係の手続きは、最後の処分に対する不服申立にならない限り通関業務の範疇にはいらない。

関連業務も範囲は広くほとんど税関の行う業務全般がはいる。なお通関業法基本通達71⑴は例示(例えば・・・が含まれる。)のため試験問題としては例示のものを含まれると出題できるが、例示していないものを含めれないと出題はしにくいので「:::は関連業務である」という出題は正しいのが普通である。

なお1から4まで通関業務で最後が関連業務である。5も通関業務と錯覚しないように。


11問 次の記述は、通関業法の規定による公告に関するものであるが、その記述の正しいものはどれか。一つを選び、その番号をマークしなさい。なお、正しい記述がない場合には、「0」をマークしなさい。

1 税関長は、審査委員を委嘱したときは、その委員の氏名を公告しなければならない。

2 税関長は、通関業者の営業所の許可が消滅したときは、その旨を公告しなければならない。

3 税関長は、通関業者が通関士を設置したときは、その旨を公告しなければならない。

4 税関長は、通関業の許可が消滅した場合には、現に進行中の通関手続があっても、当該通関業の許可が消滅した旨を公告しなければならない。

5 税関長は、通関業者の通関業務に従事する者について関税法の規定に違反する行為があり、当該通関業者の責めに帰すべき理由があるものとして当該通関業者を監督処分した場合には、その旨及びその従事する者の氏名を公告しなければならない。

回答 4

1 ×(そのような規定はない。)

2 ×(通関業の営業所の新設についての通関業法第8条第2項で、許可の公告についての第3条第4項を準用しているが、許可の消滅の公告の第10条第2項は準用していない)

3 ×(そのような規定はない。)

4 ○(通関業の許可の消滅の公告の第10条第2項は遅滞なくとあり、例外規定はないので進行中の手続きがあっても公告する。)

5 ×(そのような規定はない)

難易度−やや難

私は2番と答えてしまいました。営業所の新設公告は頭にあったし、保税地域の許可消滅の公告もあったので通関業の営業所の許可消滅も公告すると考えましたが違いました。

4番はひねりがあります。「現に進行中の通関手続があっても」がなければすなおに正しい設問と判断するのになまじ限定があると迷ってしまいました。

3と5は個人名がでる公告は(個人で通関業の許可を受けていない限り)通関士の合格しかないと覚えておくといいです。


12問 次の記述は、通関業法第15条に規定する更正に関する意見の聴取又は同法第16条に規定する検査の通知に関するものであるが、その記述の誤っているものはどれか。一つを選び、その番号をマークしなさい。なお、誤っている記述がない場合には、「0」をマークしなさい。

 

1 税関長は、関税の減額更正が減免税条項の適用上の解釈の相違に起因するものである場合には、通関業者に対して意見を述べる機会を与えることを要しない。

2 税関長は、関税の増額更正が計算の誤りに起因するものである場合には、通関業者に対して意見を述べる機会を与えることを要しない。

3 税関長は、関税の増額更正が転記の誤りに起因するものである場合には、通関業者に対して意見を述べる機会を与えることを要しない。

4 税関長は、保税運送の承認をする際に行う検査については、通関業者又はその従業者の立会いを求めるための通知を要しない。

5 税関長は、保税工場にある外国貨物が保税作業のため保税工場以外の場所に出される際に行う検査については、通関業者又はその従業者の立会いを求めるための通知を要しない。

回答 1

1 ×(通関業法第15条。その他関税に関する法令の解釈の相違に該当する。)

2 ○(通関業法第15条ただし書)

3 ○(通関業法第15条ただし書)

4 ○(通関業法第18条。通関業法施行令第7条)

5 ○(通関業法第18条。通関業法施行令第7条)

難易度−易

増額更正について意見を述べる機会を与える意義は、法令の解釈について専門的立場から輸入者の主張を述べることにあるから、意見を与えることを要しないものは、客観的に明らかなミスである。そのことを考えて1から3をみれば答えは明らかである。

4と5はもともと通関業務でないから立会い通知が不要なことは明白。
14問 次の記述は、通関業法上の義務に関するものであるが、その記述の正しいものはどれか。一つを選び、その番号をマークしなさい。なお、正しい記述がない場合には、「0」をマークしなさい。

 

1 通関業務を行う営業所の所在地に変更があった場合であっても、その名称に変更がない場合には、税関長への届出を要しない。

2 法人である認定通関業者の従業者については、通関業法第20条(信用失墜行為の禁止)の規定が適用される。

3 認定通関業者は、通関業務を行う営業所の責任者及び通関士の氏名を当該営業所において依頼者の見やすいように掲示しなければならない。

4 認定通関業者は、その取扱いに係る通関業務の件数、これらについて受けた料金の額その他通関業務に係る事項を記載した報告書を毎年1回税関長に提出しなければならない。

5 通関業者は、通関士の氏名及びその異動の内容を毎年1回税関長に報告しなければならない

回答 4

1 ×(通関業法第12条により第4条第1項第2号の事項(通関業の営業所の名称及び所在地)の変更は届出事項)

2 ×(通関業法第20条には役員と通関士が規定)

3 ×(通関業法第18条に料金の掲示義務はあるが責任者等の掲示義務はない)

4 ○(通関業法第18条)

5 ×(通関業法第22条及び通関業法施行令第8条で異動のつど報告)

難易度−やや易

ここでも、認定通関業者とあるのは通関業者と読み替えて回答する。

1は、所在地が変更になって届出がないと監督上不都合だから届出事項。

2は、信用失墜行為は一般従業者までは適用ないと判断。

3は、氏名までは掲示しないと判断。

4は、定期報告の規定。1年毎か半年か一瞬迷うが業の報告は1年の判断。

5は、監督上1年に1回では現状が不明になるのでつどと判断。

正しいものが一つ又はなしの問題だから4と答えることができましたが、選択式だと2,3あたりの判断で迷ったかも知れません。


15問 次の記述は、通関業法第37条に規定する通関業者又は通関士に対する処分の手続に関するものであるが、その記述の正しいものはどれか。一つを選び、その番号をマークしなさい。なお、正しい記述がない場合には、「0」をマークしなさい。

 

1 税関長は、通関業者の従業者が行った違反行為により当該通関業者に対して監督処分をしようとするときは、当該通関業者の通関業務に従事する通関士の意見を聞かなければならない。

2 税関長は、認定通関業者に対して監督処分をしようとするときは、審査委員から意見を聞くことを要しない。

3 税関長は、認定通関業者に対して監督処分をしようとするときは、当該認定通関業者が通関業の許可を受けている他のすべての税関長と協議しなければならない。

4 税関長は、認定通関業者の通関業務に従事する通関士に対して懲戒処分をしようとするときは、審査委員の意見を聞かなければならない。

5 税関長は、認定通関業者の通関業務に従事する通関士に対して懲戒処分をするときは、当該通関士にその理由を通知しなければならない。

回答 5

1 ×(通関業法第37条により通関士の処分については、所属の通関業者の意見を聞くことになっているが、逆に通関業者の処分について通関士の意見を聞く規定はない)

2 ×(認定通関業者は通関業法では特例はなく、通関業法第37条による通関業者の処分は審査委員の意見を聞くことになっている。)

3 ×(そのような規定はない)

4 ×(通関業法第37条により通関士の処分については、所属の通関業者の意見を聞くことになっている。)

5 ○(通関業法第37条第2項)

難易度−易

ここでも、認定通関業者とあるのは通関業者と読み替えて回答する。

国民の権利保護の観点から不利益処分について理由付記は行政法の原則となっているので5は正しい。これで答えはでるが一応各選択肢を検討する。

1は関係者として事情聴取されることはあっても、業者の処分に従業者の意見を聞くことはないと判断。

2は、ここで審査委員の意見をきかなければ審査委員の意味がないと考える。なお、認定通関業者の特例は通関業法上はないが、通関業者と読み替えたときどうなるか考える必要はある。

3は、認定通関業者の特例は通関業法上はないことからあきらか。

4は、審査委員は、通関業者の処分にのみ関与することを押さえておく(これは推測は難しい。)

 

 


16問 次の記述は、通関業法第9条に規定する営業区域の制限に関するものであるが、その記述の正しいものはどれか。一つを選び、その番号をマークしなさい。なお、正しい記述がない場合には、「0」をマークしなさい。

 

1 通関業者が、同一人からの依頼により外国貨物について通関業の許可に係る税関の管轄区域内から他の税関の管轄区域内に運送する手続を行い、運送先に到着後当該他の税関に対して輸入申告を行うことは、営業区域の制限に抵触しない。

2 認定通関業者は、あらかじめ税関長の承認を受けた場合には、通関業の許可に係る税関の管轄区域外においても通関業務を行うことができる。

3 通関業者は、同一人から依頼を受けた通関業務で相互に関連する業務を通関業の許可に係る税関以外の税関の税関官署に対して行うときは、当該業務に該当する旨を必ず通関書類に付記しなければならない。

4 認定通関業者は、同一の開港内に限り、通関業の許可に係る税関の管轄区域外においても通関業務を行うことができる。

5 通関業務に係る取扱貨物を一定の種類のものに限定する条件が付されている通関業者は、当該限定された種類の貨物に係る通関業務については、通関業の許可に係る税関の管轄区域外においても行うことができる。

回答 1

1 ○(通関業法第9条ただし書に該当。通関業法基本通達91⑶に例示されている。)

2 ×(通関業法第9条により許可税関以外の税関で行うことができるのは、ただし書の相互の関連する手続のみ。)

3 ×(通関業法施行令第2条で口頭申し出が可能。)

4 ×(認定通関業者は通関業法では特例はなく、通関業法第9条により許可税関以外の税関で行うことができるのは、ただし書の相互の関連する手続のみである。)

5 ×(通関業法第9条により許可税関以外の税関で行うことができるのは、ただし書の相互の関連する手続のみ。)

難易度−易

通関業法第9条に規定する営業区域の制限は、3年連続で出題されているが、5つ設問を作るのに苦労しているようです。

認定通関業者にまどわされることなく、相互の関連する手続以外は、許可税関(地域限定の場合は、限定された地域)でしかできないということで問題をみれば簡単。

3について「必ず」という限定のついた設問はたいがい誤りである。(たいがいで絶対でないので注意)


17問 次の記述は、通関業法第31条に規定する通関士の確認に関するものであるが、その記述の正しいものはどれか。一つを選び、その番号をマークしなさい。なお、正しい記述がない場合には、「0」をマークしなさい。

 

1 通関業法第35条第1項の規定により通関業務に従事することを停止された通関士であって、その処分を受けた日から2年を経過しないものは、同法第1条第1項の確認を受けることができない。

2 偽りその他不正の行為により地方税を免れたことにより通告処分を受けた者であっても、その免れた日から2年を経過したときは、通関業法第31条第1項の確認を受けることができる。

3 通関業者が通関業法第34条第1項の規定により通関業務の停止の処分を受けた場合で、当該処分の起因となった違反行為を指示した通関士は、その処分を受けた日から2年を経過しなければ同法第31条第1項の確認を受けることができない。

4 認定通関業者が通関士試験に合格した者を通関士という名称を用いてその通関業務に従事させようとする場合には、通関業法第31条第1項の確認を受けることを要しない。

5 通関業者は、通関士の設置を要しない地域にある営業所であっても、通関士を置く場合には、当該通関士について通関業法第31条第1項の確認を受ける必要がある。

回答 5

1 ×(通関業法第31条第3号ロで停止の期間のみ受けることができない。)

2 ×(通関業法第6条第4号ロ該当の場合の欠格期間は3年。)

3 ×(通関業法第31条第3号イで停止の期間のみ受けることができない。)

4 ×(認定通関業者は通関業法では特例はなく、通関業法第31条第1項の例外はない。)

5 ○(設置義務のない営業所にも通関士を置くことができる(通関業法第13条第2項)が、通関業法第31条は「通関士の名称を用いて通関業務に従事」とあるから設置義務の有無にかかわらず確認が必要)

難易度−易

1と3は、停止の性格上、停止期間後も欠格期間となると停止の意味がなくなるので誤りは明らか。

2は2年か3年か迷うところだが、税の関係は厳しい3年と理解する。

4は、認定通関業者は通関業法では特例はないから明白。

5は通関士である以上必要だから正解。

 


18問 次の記述は、通関業法上の罰則に関するものであるが、その記述の誤っているものはどれか。一つを選び、その番号をマークしなさい。なお、誤っている記述がない場合には、「0」をマークしなさい。

 

1 偽りその他不正の手段により通関業法第8条第1項に規定する営業所の許可を受けた者は、懲役又は罰金の刑に処せられることがある。

2 通関業法第20条の規定に違反して通関業者の信用を害する行為をした者は、罰金の刑に処せられることがある。

3 通関業法第33条の規定に違反して通関士の名義を他人に通関業務のために使用させた者は、罰金の刑に処せられることがある。

4 偽りその他不正の手段により通関業法第31条第1項の確認を受けた者は、懲役又は罰金の刑に処せられることがある。

5 通関業法第34条第1項(通関業者に対する監督処分)の規定による通関業務の全部又は一部の停止の処分に違反して通関業務を行った者は、懲役又は罰金の刑に処せられることがある。

回答 3

1 ○(通関業法第41条第1項第1号)

2 ×(罰則規定なし)

3 ○(通関業法第44条第2号)

4 ○(通関業法第42条第1号)

5 ○(通関業法第41条第1項第4号)

難易度−やや難

誤りが一つ又はなし。罰則が懲役かあるかないかの区分はけっこうやっかいでさてどうしましょうと考えこみました。それでよくよく考えると信用を害する行為を処罰できるか。訓示規定で信用を害する行為をしてはならないとするのはともかく罪刑法定主義の見地から罰則を課するのは無理と判断して2を誤りとしました。

ここは勉強不足をなんとか推理で切り抜けました。

 


19問 次の記述は、通関業法第13条に規定する通関士の設置に関するものであるが、その記述の正しいものはどれか。一つを選び、その番号をマークしなさい。なお、正しい記述がない場合には、「0」をマークしなさい。

 

1 認定通関業者は、通関士の設置を要する地域以外の地域にある営業所においても、必ず通関士を設置しなければならない。

2 通関士の設置を要する地域にある営業所において、専任の通関士が欠けたため通関業法施行令第4条第1項(通関士の設置)の規定に抵触することとなった場合には、3月以内に同項の規定に適合させるため必要な措置をとらなければならない。

3 認定通関業者においては、通関士の設置を要する地域にある営業所の責任者は、通関士でなければならない。

4 営業所における専任の通関士とは、専ら特定の通関業者の特定の営業所において通関士としてその通関業務のみに従事し、かつ、当該営業所において取り扱う通関業務につき通関士の審査が必要な通関書類を審査できる者である。

5 通関士の設置を要しない地域にある営業所であっても、その取り扱う関連業務が通関士の設置を要する地域において行われる場合には、当該営業所に通関士を置かなければならない

回答 3

1 ×(認定通関業者は通関業法では特例はなく、そのような加重された義務はない。)

2 ×(通関業法第施行令第4条第2項により2月以内に適合させる。)

3 ×(認定通関業者は通関業法では特例はなく、そのような加重された義務はない。)

4 ○(通関業法基本通達132⑴)

5 ×(関連業務は通関業ではないので(通関業法第1条第2号)関連業務を行うことの地域制限はない)

難易度−やや難

ここはミスしました。4も正しいそうに見えましたが2が適合義務は当然正しく、期間が3月でいいか一抹の不安もありましたが、期間の違いで誤りの設問はしないと山をかけてはずれました。

ここは不勉強で沈みました。

 

 


20問 次の記述は、通関業又は営業所の許可に関するものであるが、その記述の正しいものはどれか。一つを選び、その番号をマークしなさい。なお、正しい記述がない場合には、「0」をマークしなさい。

 

1 税関長が通関業の許可に付することができる条件は、通関業務を行うことができる地域の限定又は取り扱う貨物の種類の限定に限られている。

2 弁理士が弁理士法の規定により通関業務に該当する業務を行う場合には、通関業の許可を受けることを要しない。

3 認定通関業者が新たに営業所を設けようとする場合には、税関長の許可を受けることを要しない。

4 通関業者である法人の分割により新たに設立された法人が当該分割をする前の法人の通関業の全部を承継したときは、新たに通関業の許可を受けることを要しない。

5 税関長は、通関業の許可をしようとするときは、審査委員の意見を聞かなければならない。

回答 3

1 ×(通関業法第3条第3項で通関業法の目的を達するため必要な最小限度とあるだけでそれ以上の限定はない。実際許可の期限を条件として付すことが行われている。通関業法基本通達31

2 ○(通関業法第3条第5項。)

3 ×(認定通関業者は通関業法では特例はない。)

4 ×(通関業法基本通達38⑵へに該当)

5 ×(審査委員は処分の際に意見聞かれる。)

難易度−易

4について通関業については、保税地域の被許可者のような継承規定は、ありません。

これを前提に関業法基本通達3-8(1)は、すでに通関業者である者が、他の通関業者の営業を受け継ぐ場合、(すでに通関業者であるものが持っている)既存の通関業の許可により通関業務を行なうことができるとしていて、問題文のように新たに設立された法人の場合、これは通関業者ではありませんので、新たな許可が必要です。