〔関税法、関税定率法その他関税に関する法律及び外国為替及び外国貿易法(第6章に係る部分に限る。)〕(時間 1時間40分)

 

【記 述 式】 ―― 第1問〜第5問:各問題5点 第6問〜第15問:各問題1点 ――

 

第1問 次の記述は、関税の納期限に関するものであるが、(   )に入れるべき最も適切な語句を下の選択肢から選び、その番号をマークしなさい。

 

1 関税法第7条の22項の規定により、特例輸入者が期限内特例申告書を提出した場合には、その関税を当該期限内特例申告書の( イ )までに納付しなければならない。この場合、具体的には、当該期限内特例申告書に係る貨物の輸入の( ロ )の属する月の( ハ )が納期限となる。

2 関税法第7条の41項の規定により、特例輸入者が期限後特例申告書を提出した場合には、その関税を当該期限後特例申告書を( ニ )までに納付しなければならない。

3 税関長が輸入の許可を受けた貨物に係る関税を増額させる更正通知書を発した場合には、当該更正通知書に記載された納付すべき税額を当該更正通知書が発せられた日の翌日から起算して( ホ )を経過する日までに納付しなければならない。

 

@ 1 月 A 2 月 B 3 月

C 許可を受けた日 D 承認を受けた日 E 申告をした日

F 提出期限 G 提出期限の翌日 H 提出期限の翌日から起算して1月を経過する日

I 提出した日 J 提出した日の属する月の末日 K 提出した日の翌日から起算して1月を経過する日

L 末 日 M 翌月の末日 N 翌々月の末日

回答 イ―F ロ−C ハ−M ニ−I ホ−@

難易度−易

まずイ、言葉としてつながるのはFからKであるが、次の文章をよく読むと具体的な提出日ではなく、一律に決まる期限を言っているからFからHになる。しかもGではハにいれるべき日がないので、FかHになる。延納手続きをとらない限り、申告期限までに進行納税が原則であることを忘れなければFであることは明らかである。

ロは、関税法では輸入の承認でなく許可(輸入承認は外為法の用語)であることからDはなく、申告の日を基準にすると(特例申告の場合ほとんどありえないけれど)申告から許可まで時間がかかると許可前に特例申告申告期限がくることがあり不都合なので、Cが回答となる。ハは、LからN.末日だと許可日=特例申告期限となり、特例申告の意味がなくなり、翌々月の末日では間があきすぎるのでMが正解である。

ニ、ホについては修正申告、決定の場合を含めて、輸入者から関税の増額や確定する場合は、納税の用意をして行えるので、申告の日が具体的納期限であるのに対し、増額更正や決定の場合は、税関の通知を受けて納税者が資金を準備する猶予として1月先になると整理しておく。

 

 


第2問 次の記述は、関税法第12条の2(過少申告加算税)の規定に関するものであるが、(   )に入れるべき最も適切な語句を下の選択肢から選び、その番号をマークしなさい。

 

1 関税法第7条第1項(申告)の規定による申告があった場合において、( イ )又は( ロ )がされたときは、当該納税義務者に対し、当該( イ )又は( ロ )に基づき同法第9条第1項又は第2項(申告納税方式による関税等の納付)の規定により納付すべき税額に( ハ )の割合を乗じて計算した金額に相当する過少申告加算税を課する。

2 上記1に記述する納付すべき税額の計算の基礎となった事実のうちにその( イ )又は( ロ )前の税額の計算の基礎とされていなかったことについて( ニ )があると認められるものがある場合には、上記1に記述する納付すべき税額からその( ニ )があると認められる事実に基づく税額として関税法施行令で定めるところにより計算した金額を控除して、関税法第12条の21項の規定を適用する。

3 関税法第12条の21項の規定は、( イ )がされた場合において、その( イ )が、その申告に係る関税についての調査があったことにより当該関税について( ロ )があるべきことを( ホ )してされたものでないときは、適用しない。

 

@ 100分の5 A 100分の10 B 100分の15

C 決 定 D 更 正 E 告 知

F 修正申告 G 推 察 H 正当な理由

I 責に帰さない理由 J 当初申告 K 賦課決定

L 補 正 M 明確な理由 N 予 知

回答 イ―F ロ−D ハ−A ニ−H ホ−N

難易度−易

まずイとロが繰り返し出てくる。

修正申告又は更正はほとんど対になっているのでイ―F ロ−Dと答えてもいいが、一応考察すると、決定は、納税申告すべき場合にこれがなかった場合に行われる関税の確定行為であり、無申告加算税の要件であり、告知は、賦課課税の場合の納税の告知のとして使われる用語である。

また、1と2ではイとロを入れ替えてもいいのだが、3のところで自主的修正の場合に加算税を課さない場合の規定であり、ここでイとロが確定する。

ちなみに問題としては、ロとイを入れ替えて出題しても間違っていないがそれはかなり意地悪問題のであり、出題としては不適切になる(と私は思いますが出題されないと保証はしません。)

ハの率は、覚えるしかないです。

ニは、課されない理由です。通関業者の処分についての「責に帰すべき理由」と混同しなければ簡単である。なお法令用語として「正当な理由」は使用例が多いが、「明確な理由」の使用例はなく、「責に帰さない理由」は、責に帰すべき理由」としていくつか使用例があるが、多くは労働者の離職関係で、行政処分関係では通関業法のほかは不動産鑑定業者の処分関係ぐらいである。

ホは、言葉としてはGの推察もあるが、更正の予知と覚えておこう。

 

 

 

 


第3問 次の記述は、関税法施行令第60条(仕入書の記載事項等)の規定に関するものであるが、(   )に入れるべき最も適切な語句を下の選択肢から選び、その番号をマークしなさい。

 

関税法第68条第1項(輸出申告又は輸入申告に際しての提出書類)の規定により輸出申告に際し税関に提出する仕入書は、次に掲げる事項を記載し、かつ、当該申告に係る貨物の( イ )が署名したものでなければならない。ただし、税関において同法第67条(輸出又は輸入の許可)に規定する( ロ )に支障がないと認めるときは、その支障がないと認める事項の記載は、必要としない。

 

@ 当該貨物の記号、番号、( ハ )、品種、数量及び価格

A 当該貨物の仕入書の作成地及び作成の年月日並びに仕向地及び( ニ )

B 上記@に掲げる価格の決定に関係がある( ホ )

 

@ 運送の条件 A 契約者 B 契約の条件

C 検 査 D 材 質 E 仕出人

F 仕向人 G 申 告 H 審 査

I 性 質 J 取引の条件 K 品 名

L 輸出者 M 輸入者 N 容 積

回答 イ―E ロ−C ハ−K ニ−F ホ−B

難易度−やや易

ここで二つミスをしました。

一つはロで、つい書類審査を念頭にH審査にしましたが、考えてみると67条には「必要な検査という」文言はありますが、「審査」という文言はないのでC検査が正解です。

もうひとつはホで、関税定率法では輸入取引という表現をしているので、J取引の条件と答えましたが正解はB契約の条件です。

あと、ハですが、候補はD 材質、I 性質、K 品名、N 容積とあるもの、容積は数量の一種だし、材質、性質、品名でもっとも一般的な品名が正解となる。

ニは仕向地とセットだから、M 輸入者ではなく、F仕向人であることはあきらか。これと関係でイもL 輸出者ではなく、E 仕出人となる。


第4問 次の記述は、違約品等を再輸出する場合の関税の払戻しに係る関税定率法施行令第56条の2(保税地域への搬入期間の延長の承認申請手続)の規定に関するものであるが、(   )に入れるべき最も適切な語句を下の選択肢から選び、その番号をマークしなさい。

 

保税地域への搬入期間の延長について税関長の承認を受けようとする者は、当該承認を受けようとする貨物の品名、( イ )、搬入を予定する保税地域の名称及び所在地、搬入の( ロ )並びに当該承認を受けようとする理由その他参考となるべき事項を記載した申請書を当該貨物の( ハ )を所轄する税関長に提出しなければならない。ただし、当該保税地域の所在地を所轄する税関長と当該( ハ )を所轄する税関長とが異なるときは、当該申請書に当該貨物の( ニ )又はこれに代わる( ホ )を添付して、これを当該保税地域の所在地を所轄する税関長に提出することができる。

 

@ 開始時期 A 価 格 B 契約書

C 公的機関の証明書 D 終了時期 E 数 量

F 税関の証明書 G 発注書 H 番 号

I 減却地 J 輸出の許可書 K 輸出予定地

L 輸入地 M 輸入の許可書 N 予定時期

回答 イ―E ロ−N ハ−L ニ−M ホ−F

難易度−易

イの申請書の記載事項であるが、A 価格、E 数量、H 番号が候補となり、一つ選ぶとなるとより一般的なE 数量となる。

ロは、搬入先はすでに書いてあるので。時期であるが、@ 開始時期D 終了時期N 予定時期のうち、もっとも一般的なNとなる。

ハは、輸入地、輸出の予定地、搬入する保税地域の所在地かで迷うところだが、すぐあとに「当該保税地域の所在地を所轄する税関長と当該( ハ )を所轄する税関長とが異なるとき」とあるので必然的に輸入地になる。

ニとホは輸入地税関に申請するときは不要なものと考えると当然M 輸入の許可書となり。代わるものはF 税関の証明書となる。

注 再輸出だからI 減却地は問題外。

 

 

 


第5問 次の記述は、関税法第69条の11に規定する輸入してはならない貨物に関するものであるが、(   )に入れるべき最も適切な語句を下の選択肢から選び、その番号をマークしなさい。

 

1 不正競争差止請求権者は、輸入差止申立てに際し、自己の営業上の利益の侵害の事実を( イ )するために必要な証拠を税関長に対して提出しなければならない。この場合において、不正競争差止請求権者は、不正競争防止法第2条第1項第1号に規定する商品等表示であって当該不正競争差止請求権者に係るものが需要者の間に広く認識されているものであること等の事項について、( ロ )の意見を求め、その意見が記載された書面を税関長に提出しなければならない。

2 税関長は、( ハ )を経た後でなければ、特許権を侵害する物品を( ニ )して廃棄し、又は積戻しを命ずる措置をとることができない。

3 ( ホ )を除く特許権等の知的財産権を侵害する物品は、関税法第69条の2に規定する輸出してはならない貨物ともされている。

 

@ 育成者権 A 回路配置利用権 B 確 認

C 供託手続 D 経済産業大臣 E 差押え

F 説 明 G 専門委員 H 疎 明

I 著作隣接権 J 特許庁長官 K 特許庁長官への意見照会手続

L 認定手続 M 没 収 N 領 置

回答 イ―H ロ−D ハ−L ニ−M ホ−A

難易度−易

イは、B 確認、F 説明、H 疎明が考えられるが、差止請求の段階では一応の証明である疎明となる。

ロは、D 経済産業大臣かJ 特許庁長官であるが、役所の所管の問題で、特許庁は、特許権、実用新案権、商標権を所轄し、回路配置利用権や不正競争差止請求権は経済産業省本省の事務である。

ハは税関長の行う手続きでC 供託手続K 特許庁長官への意見照会手続L 認定手続のうちどれが全体をカバーするか考えれば答えは明らかにLである。

ニは廃棄の前提だから所有権の剥奪であるMとなる。N 領置では現状を変えるような行為は困難。

ホは、@ 育成者権A 回路配置利用権I 著作隣接権が候補。このうち、著作隣接権は著作権とセットのようなものだから単独で別扱いはない。@ 育成者権A 回路配置利用権では、国内の侵害の可能性を考えて、A 回路配置利用権が輸出してはいけない貨物にする必要がないと考える。

 


第6問 次の記述は、関税法における用語の意義に関するものであるが、その記述の正しいものはどれか。すべてを選び、その番号をマークしなさい。

 

1 附帯税とは、関税のうち延滞税、過少申告加算税、無申告加算税及び重加算税をいう。

2 特定委託輸出申告とは、輸出しようとする貨物の輸出に係る通関手続を認定通関業者に委託した者が当該貨物を保税地域に入れた後に行う関税法第67条(輸出又は輸入の許可)の申告をいう。

3 特定保税運送者とは、認定通関業者又は国際運送貨物取扱業者をいう。

4 保税蔵置場に置かれている外国貨物の部を、認定通関業者が成分分析のために当該保税蔵置場内で消費する行為は、輸入とみなされる。

5 特殊船舶とは、本邦と外国との間を往来する船舶のうち外国貿易船以外のものをいう。

回答 1,4

1 ○(関税法第2条第1項第4号の2)

2 ×(保税地域に入れないで行う申告である。関税法第67条の3参照)

3 ×(認定通関業者又は国際運送貨物取扱業者があらかじめいずれかの税関長の承認を受ける必要がある。関税法第63条の21項)

4 ○(関税法第2条第3項に該当し、例外規定に該当しない。)

5 ×(関税法第15条の3第1項)

難易度−難

2はややひっかけ。よく読まないと間違える。

4は、検査のための消費が輸入とみなされないのは、税関職員や植物防疫所職員等が法令に基づいて、検査等のために使用する場合だが、認定通関業者とあるのでつい特例があると思いそうになるがそのようなことはない。

5は、厳密には公用船のうち政令で定めるもの(軍艦等)は特殊船舶から除かれるので5を誤りとされたようです。各社の速報ではこの程度の例外は誤りとしないで正解にしましたが、出題者の見解は違うようです。小生も間違いました。


第7問 次の記述は、関税法第7条の2(申告の特例)に規定する特例輸入者に関するものであるが、その記述の正しいものはどれか。すべてを選び、その番号をマークしなさい。

 

1 特例輸入者の承認を受けようとする者は、輸入に関する業務を他の者に委託している場合であっても、税関との間における連絡体制及び法令に違反する事態が生じた場合における対処のための措置に関する事項を法令遵守規則に規定しなければならない。

2 特例輸入者が特例申告貨物以外の貨物を輸入した場合には、当該貨物の品名、数量等を記載した帳簿を備え付ける必要はない。

3 特例輸入者が関税法第73条(輸入の許可前における貨物の引取り)の規定に基づき特例申告貨物以外の外国貨物を輸入の許可前に引き取ろうとする場合には、当該外国貨物に係る関税額に相当する担保を提供する必要はない。

4 特例輸入者が特例申告貨物に係る輸入申告を行う際には、税関長が必要と認める場合を除き、仕入書を提出する必要はない。

5 特例輸入者の承認を受けようとする者が承認の申請の日の5年前に関税を滞納したことがある場合には、税関長は当該承認をしないことができる。

回答 1,4.5

1 ○(関税法施行規則第1条の21号⑶ホで記載事項になっている。)

2 ×(関税法第7条の9による帳簿備え付け義務は、特例申告貨物にのみ適用されるが、関税法第94条に基づく一般的な帳簿保存義務が適用される。)

3 ×(そのような特例はない。

4 ○(関税法第68条第1項ただし書)

5 ×(滞納による申請拒否は、過去3年である。関税法第7条の51号ホ)

難易度−易

1は、業務を委託した場合に、連絡体制等を法令順守規則に定める必要がないなら、法令順守規則の意味がそこなわれるので、正しいと考える。

2は落とし穴。特例申告貨物以外の申告納税方式が適用される貨物を業として輸入する者に記帳義務があることを失念しないように。

3は、特例輸入者は、特例申告以外では特例がないことを踏まえればあきらかである。

4は、特定申告による手続きの簡素化の目玉のようなもの。

5は、関税法体系では、欠格期間は最長でも3年であることを理解しておく。

 

 

 


第8問 次の記述は、関税法第70条に規定する他法令の証明又は確認に関するものであるが、その記述の正しいものはどれか。すべてを選び、その番号をマークしなさい。

 

1 仮に陸揚げされた貨物を外国へ向けて積み戻す場合であっても、外国為替及び外国貿易法第48条第1項(輸出の許可等)の規定に基づく経済産業大臣の輸出の許可を要する貨物については、関税法第70条第1項の規定が適用される。

2 特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律第2条第1項(定義)に規定する特定有害廃棄物等を輸入する場合には、経済産業大臣の輸入割当てを受けていることを税関に証明しなければならない。

3 他の法令の規定により輸入に関して検査又は条件の具備を必要とする貨物については、輸入申告の際、その検査の完了又は条件の具備を税関に証明し、その確認を受けなければならない。

4 輸入貿易管理令第18条(権限の委任)の規定により、経済産業大臣の承認権限が税関長に委任される貨物については、関税法第70条第1項の規定は適用されない。

5 特例申告貨物を輸入する場合においても、関税法第70条の規定は適用される。

回答 1,5

1 ○(関税法第75条))

2 ×(特定有害廃棄物については輸入割り当てではなく輸入承認が必要。)

3 ×(関税法第70条第2項。検査その他申告の審査の際に証明する。

4 ×(そのような規定はない)

5 ○(特例申告は納税申告の特例。他法令については基本どおり)

難易度−易

1は、平成19年度改正で、それまで全面的に関税法第70条(第76条による準用)が適用除外だったものが、外為法で輸出の許可を要する貨物(輸出令別表第1の貨物)について適用されるようになったもの。

2は、平成19年に輸入貿易管理令に基づく告示(輸入公表)が改正され、それまで輸入割当品目であったものうち、経済目的の数量制限でない品目(有害廃棄物、ワシントン条約関連、武器麻薬等)が輸入承認制に移行したことを踏まえておく。

3は、関税法第70条第1項と第2項の違い。実務的にはいずれも申告のときに証明書を提出するが法律的には違う。

4は、外為法以外の他法令のことを考えれば明らかだが、外為法分野でも特例はない。

5は、上記のとおり。


第9問 次の記述は、保税蔵置場に関するものであるが、その記述の正しいものはどれか。すべてを選び、その番号をマークしなさい。

 

1 保税蔵置場にある外国貨物を見本として一時持ち出そうとする者は、税関長の許可を受けなければならない。 

2 保税蔵置場にある外国貨物を転売しようとする者は、税関長に届け出なければならない。 

3 保税蔵置場において、外国貨物について見本の展示、簡単な加工その他これらに類する行為をしようとする者は、税関長の許可を受けなければならない。 

4 保税蔵置場において貨物を管理する者は、輸出の許可を受けた貨物を除き、その管理する外国貨物についての帳簿を設け、必要な事項を記載しなければならない。 

5 保税蔵置場に外国貨物を置くことができる期間は、当該外国貨物を置くことが承認された日から2年間であるが、その期間の計算に当たっては、他の保税蔵置場に置かれていた期間は加算されない。 

回答 1,3

1 ○(関税法第32条)

2 ×(そのような規定はない。)

3 ○(関税法第49条で準用する関税法第40条第2

4 ×(輸出の許可を受けた貨物を除外する規定はない。

5 ×(関税法第43条の2で、当該貨物を最初に置くことを承認された日から2年

難易度−易

いずれも保税の貨物管理の基本規定。


10問 次の記述は、関税の軽減又は免除に関するものであるが、その記述の正しいものはどれか。すべてを選び、その番号をマークしなさい。

 

1 輸入の許可を受けて保税地域から引き取られた貨物が、当該貨物の使用場所への運送途上において災害その他やむを得ない理由により滅失し、又は損傷した場合には、関税定率法第10条第2項(変質、損傷等の場合の減税又は戻し税等)の規定の適用を受けることができる。

2 修繕のため本邦から輸出され、その輸出の許可の日から1年以内に輸入される貨物については、関税定率法第11条(加工又は修繕のため輸出された貨物の減税)の規定の適用を受けることができる。

3 本邦から輸出された貨物で、その輸出の許可の際の性質及び形状が変わっていないものについては、その輸出の許可の日から1年以内に再輸入されるものに限り、関税定率法第14条第10号(無条件免税)の規定の適用を受けることができる。

4 関税定率法第15条第1項(特定用途免税)の規定により関税の免除を受けて輸入された貨物が、その輸入の許可の日から2年以内に同項各号に掲げる用途以外の用途に供するため譲渡された場合においては、当該譲渡をした者から、当該免除を受けた関税を直ちに徴収する。

5 本邦に派遣された外交官が、関税定率法第16条第1項(外交官用貨物等の免税)の規定により関税の免除を受けて輸入した旅行バッグをその輸入の許可の日から2年以内に売却しても、当該免除を受けた関税は徴収されない。

回答 2.4、5

1 ×(輸入許可後保税地域にあれば、適用可能だが保税地域から移動した場合は適用できない。)

2 ○

3 ×(期間制限はない)

4 ○

5 ○(外交官免税物品の転売の場合の徴税は、自動車、酒、たばこのみ。関税定率法第16条第2項、関税定率法施行令第28

難易度−易

関税定率法の減免税規定であまりひねりのない素直な出題。

1について、輸入許可後税関管理下から離れた後に滅失、損傷しても確認が困難であることも、適用しない理由である。

5について、徴税されるのは、税負担が大きく転売差益の多い物に限定されている。その意味では物品税廃止後、自動車を徴税対象とする意義は少なくなっている。

 

 


11問 次の記述は、関税定率法第4条に規定する課税価格の決定の原則に関するものであるが、その記述の正しいものはどれか。すべてを選び、その番号をマークしなさい。

 

1 課税価格となる取引価格とは、買手により売手に対し又は売手のために輸入貨物につき現実に支払われた又は支払われるべき価格をいう。

2 輸入貨物に係る輸入取引に関し買手により負担される買付手数料は、課税価格に算入されない。

3 輸入貨物に組み込まれている部分品であって、買手により売手に対して無償で提供されたものに要する費用は、当該部分品が本邦において生産されたものである場合には、課税価格に算入されない。

4 輸入貨物の生産のために必要とされた技術であって、買手により売手に対して無償で提供されたものに要する費用は、当該技術の開発者が日本国籍を有する場合には、課税価格に算入されない。

5 輸入貨物の売手と買手との間に特殊関係がある場合においても、当該特殊関係のあることが当該輸入貨物の取引価格に影響を与えていると認められないときは、当該特殊関係があることは、関税定率法第4条第1項の規定により課税価格を決定することはできないとする事情に該当しない。

回答 2、5

1 ×(関税定率法第4条第1項)

2 ○(関税定率法第4条第1項第2号イ)

3 ×(関税定率法第4条第1項第3号イには生産地の限定がない、)

4 ×(関税定率法第4条第1項第3号ニ、関税定率法施行令第1条の52項で、本邦以外で開発されたことが条件で、国籍は関係ない、)

5 ○(関税定率法第4条第2項ただし書)

難易度−難

関税定率法の評価の規定であまりひねりのない素直な出題と思ったら落とし穴あり。。

1について、大原則と思いましたが、関税定率法第4条第1項をよく読むと、ここで定義されている取引価格は、現実取引価格に加算要素を加えたものとなっています。関税協会を初め、有力試験講座の速報がみんな間違えました。小生ももちろん(笑)間違いました。

2も手数料についての基本。

3,4は、無償提供関係は、輸入許可後税関管理下から離れた後に滅失、損傷しても確認が困難であることも、適用しない理由である。

5も基本。法律は逆に書いてあるが同じことである。

 


12問 次の記述は、外国為替及び外国貿易法及び輸出貿易管理令に関するものであるが、その記述の正しいものはどれか。すべてを選び、その番号をマークしなさい。

 

1 輸出貿易管理令別表第243の項の中欄に掲げる貨物(国宝、重要文化財、特別天然記念物等)に係る輸出の承認の権限については、すべて経済産業大臣から税関長に委任されている。

2 経済産業大臣は、外国為替及び外国貿易法第48条第1項の規定による許可を受けないで同項に規定する貨物の輸出をした者に対し、3年以内の期間を限り、輸出を行うことを禁止することができる。

3 本邦の公共的機関から外国の公共的機関に友好を目的として寄贈される貨物を輸出する場合は、すべて輸出の承認を要しない。

4 輸出貿易管理令別表第220の項の中欄に掲げる核燃料物質を輸出する場合であっても、同令第1条の輸出の許可を受けた場合には、輸出の承認を要しない。

5 総価額が5万円以下のうなぎの稚魚を輸出する場合は、輸出の承認を要しない。

回答 2、5

1 ×(輸出貿易管理令第11条第1号で告示で定める貨物(ワシントン条約関連)は除かれる。)

2 ○(外国為替及び外国貿易法第53条第1項)

3 ×(輸出貿易管理令第12条第1項により経済産業大臣の輸出のみ適用除外である。)

4 ×(そのような規定はなく、輸出貿易管理規則第1条第1項第3号は、輸出の許可及び承認の双方が必要な場合を想定した規定である。)

5 ○((輸出貿易管理令第4条、別表第73号)

難易度−難

輸出貿易管理令の特例関係は、ややこしく間違いました。

まず、すべてとあるのはたいがい間違い(何か例外がある)ので1と3を誤りとし、2はたしかそう(年数がやや不安であったが)なので、残るは、4と5.

行政簡素化の線で4は正しく、うなぎの稚魚の密輸出が問題になっていることから特例はないと思いましたが、違いました。

まあ、金額特例で3万か5万かは覚え切れないし、手間のかかるわりに1問だから外為法はさらっとやって他に労力をそそいだほうがいいかも知れません(なにかすっぱい葡萄状態です。)

 


13問 次の記述は、輸出してはならない貨物に関する記述であるが、その記述の正しいものはどれか。すべてを選び、その番号をマークしなさい。

 

1 荷繰りの都合等により、我が国の保税地域に一時的に仮陸揚げされた貨物の中に商標権を侵害する物品が含まれている場合には、税関長は当該物品について認定手続を執らなければならない。

2 不正競争防止法第2条第1項第3号に規定する形態模倣品は輸出してはならない貨物に該当するが、その認定手続に際して不正競争差止請求権者が税関長に意見を述べる際には、経済産業大臣の意見書を提出しなければならない。

3 輸出差止申立てが税関長に受理された申立人は、当該差止申立てに係る貨物の認定手続の際に、税関長に対し、当該貨物の見本の検査を申請することができる。

4 税関長は、輸出差止申立てを受理した場合において、当該申立てに係る貨物についての認定手続が終了するまでの間、当該貨物が輸出されないことにより当該貨物を輸出しようとする者が被るおそれがある損害の賠償を担保するため必要があると認めるときは、当該申立てをした者に対し、相当と認める額の金銭を供託すべき旨を命ずることができる。

5 税関長は、育成者権を侵害する貨物に該当するか否かについての認定手続において、その認定をするために必要があると認めるときは、農林水産大臣に対し、当該認定のための参考となるべき意見を求めることができる。

回答 4、5

1 ×(平成20年度改正で商標権侵害物品を保税地域に置き、又は保税運送することができなくなったが、認定手続きの対象ではない。関税法第30条第2項、関税法第65条の2)

2 ×(経済産業大臣の意見書の提出は、差止申立の際である。関税法第64条の4第1項後段。)

3 ×(見本検査は、輸入してはならない貨物にのみ規定がある。関税法第64条の16。)

4 ○(関税法第69条の61項)

5 ○(関税法第69条の81項)

難易度−難

めいっぱいややこしい出題。1から3は制度の細かい相違をついている問題できちんと勉強していないと間違える。

3を正解にしてしまいました。見本検査が輸入だけということを把握していなかったのは勉強不足でしかありません。1も、誤りとした結論はあっていましたが、理由として仮陸揚だから誤りと思いましたが、仮陸揚げが除外ではなく、認定手続きにのらないためでした。
14問 次の記述は、輸出通関に関するものであるが、その記述の正しいものはどれか。すべてを選び、その番号をマークしなさい。

 

1 仮に陸揚げされた貨物を外国に向けて送り出す場合には、必ず税関長に積戻し申告をしなければならない。

2  貨物を無償で輸出する場合には、輸出申告書の申告価格欄に無償と記載しなければならない。

3 輸出される貨物の輸出申告価格は、本邦の輸出港における本船甲板渡し価格であるが、保険が付されている場合には、その保険料を加算した額となる。

4 外国に売却する本邦籍の船舶を引渡しのために本邦から外国に向けて回航する場合には、輸出の許可が必要となる。

5 輸出申告書に記載すべき貨物の数量は、財務大臣が貨物の種類ごとに定める単位による当該貨物の正味の数量である。

回答 4、5

1 ×(仮に陸揚げされた貨物は、外為法で輸出の許可を要する貨物(輸出令別表第1の貨物)以外は積戻し申告を要しない。関税法第75条。第8問の選択肢1を参照)

2 ×(有償で輸出されるとした場合の価格を記入する。関税法施行令第59条の22項)

3 ×(保険料を加算する規定はない。関税法施行令第59条の22項。)

4 ○(輸出であるので、許可が必要。関税法基本通達2―5⑴参照)

5 ○(関税法施行令第59条の21項)

難易度−易

ごく基本的問題。


15問 次の記述は、経済上の連携に関する日本国とタイ王国との間の協定(以下「タイ協定」という。)における関税についての特別の規定による便益に係る税率(以下「タイ税率」という。)の適用を受けるための原産地証明書に関するものであるが、その記述の正しいものはどれか。すべてを選び、その番号をマークしなさい。

 

1 タイ協定に基づく原産地証明書は、災害その他やむを得ない理由による場合を除き、その証明に係る貨物の輸入申告の日において、その発給の日から1年以上を経過したものであってはならない。

2 タイ協定に基づく原産地証明書は、その有効期間内に当該原産地証明書に係る貨物を保税地域に搬入した場合には、当該貨物の輸入申告の際に有効期間を過ぎたものであっても有効な原産地証明書とすることができる。

3 タイ協定に基づく原産地証明書は、当該原産地証明書に係る貨物の輸出者又は生産者が、当該貨物がタイ協定に基づく原産品である旨を記載し、かつ、署名したインボイスで代用できる。 

4 タイ協定に基づく原産地証明書は、タイ王国において当該原産地証明書の発給につき権限を有する機関が発給したものでなければならない。

5 課税価格の総額が20万円以下の貨物についてタイ税率の適用を受けようとする場合には、タイ協定に基づく原産地証明書を税関に提出する必要はない。

回答 1、4、5

1 ○(関税法施行令第61条第6項)

2 ×(1のとおり輸入申告の日が基準)

3 ×(そのような規定はない。)

4 ○(関税法施行令第61条第4項)

5 ○(関税法施行令第61条第1項第2号イ)

難易度−易

経済連携協定の原産地証明書関係は、各協定を通じた一般規定となっているのでごく細かいことを除き共通の原則を押さえておく。

加えて特恵と共通のところと相違するところをおさえておけば完璧。


【択 一 式】 ―― 各問題1点 ――

 

16問 次の記述は、関税法第7条の2に規定する申告の特例に関するものであるが、その記述の誤っているものはどれか。一つを選び、その番号をマークしなさい。なお、誤っている記述がない場合には、「0」をマークしなさい。

 

1 税関長は、関税の保全のために必要があると認めるときは、特例輸入者又は特例委託輸入者に対し、金額及び期間を指定して、関税につき担保の提供を命ずることができる。

2 特例輸入者又は特例委託輸入者が特例申告を行う場合には、特例申告貨物で輸入の許可を受けたものについて特例申告書を作成し、当該許可の日の属する月の翌月末日までに、当該特例申告貨物の輸入地を所轄する税関長に提出しなければならない。

3 特例輸入者又は特例委託輸入者であって、その特例申告に係る特例申告書をその提出期限までに提出していない者は、その提出期限後においても、関税法第7条の162項の規定による決定があるまでは、その期限内特例申告書に記載すべきものとされている事項を記載した特例申告書を、当該特例申告に係る貨物の輸入地を所轄する税関長に提出することができる。

4 関税定率法第10条第1項(変質、損傷等の場合の減税又は戻し税等)の規定は、特例申告貨物については、適用されない。

5 関税法第7条の21項の承認が失効した場合において、当該承認を受けていた者又はその相続人は、その失効前に輸入の許可を受けた特例申告貨物に係る特例申告の義務を免れることはできない。

回答 4

1 ○(関税法第7条の61項)

2 ○(関税法第7条の22項)

3 ○(関税法第7条の4第1項。)

4 ×(20年度改正で関税法第7条の2第5項が削除され、適用可能になった)

5 ○(関税法第7条の11第2項)

難易度−易

20年度改正による特例申告の改正が早速出題された。

1は、この改正で必須担保から任意担保となった。

2,3については、特例委託輸入者の制度の創設があった。

4については制限が緩和された結果適用可能になった。

改正前だと正解は1でした。


17問 次の記述は、関税定率法第4条に規定する課税価格の決定の原則に関するものであるが、その記述の正しいものはどれか。一つを選び、その番号をマークしなさい。なお、正しい記述がない場合には、「0」をマークしなさい。

 

1 買手により売手に対し又は売手のために輸入貨物につき現実に支払われた又は支払われるべき価格に、当該輸入貨物の輸入後に本邦において行われる当該輸入貨物に係る整備に要する役務の費用が含まれている場合において、当該役務の費用の額が明らかでないときは、関税定率法第4条第1項の規定により課税価格を決定することはできない。

2 輸入貨物が輸出港から輸入港に到着するまでの運送に要する運賃は、課税価格に算入されるが、当該輸入貨物に係る輸出国内及び輸入港到着後の運送に要する運賃は、課税価格に算入されない。

3 輸入貨物に係る輸入取引に関し買手により負担される当該輸入貨物の包装に要する費用は、売手以外の第三者に対して支払われる場合には、課税価格に算入されない。

4 輸入貨物に係る商標権の使用に伴う対価は、買手により売手以外の第三者である商標権者に支払われる場合であっても、当該輸入貨物の本邦における再販売の条件として支払われるときは、課税価格に算入される。

5 輸入貨物の取引価格が当該輸入貨物の売手と買手との間で取引される当該輸入貨物の取引数量に依存して決定されるべき旨の条件が当該輸入貨物に係る輸入取引に付されている場合には、関税定率法第4条第1項の規定により課税価格を決定することはできない。

回答 4又は0

1 ×(明らかでないときは、含んだものになる関税定率法施行令第1条の41項ただし書)

2 ×(関税定率法第4条第1項第1号で「輸入港へ到着するまでの運賃となっているので、輸出国の国内運賃は含まれる。関税定率法基本通達48⑶参照)

3 ×(包装費用は加算要素であり、支払先には関係ない。関税定率法第4条第1項第1号ハ。)

4 ?(関税定率法第4条第1項第4号に規定する輸入取引の条件であるか判断困難

5 ×(当該貨物以外の貨物の取引数量に依存する場合は関税定率法第4条第1項の規定により課税価格を決定することはできない(関税定率法第4条第2項第2)が、当該貨物の数量に依存する場合はできない要件に該当しない。関税定率法基本通達43参照)

難易度−難

4番以外は問題ないが、4番について「当該輸入貨物の本邦における再販売の条件」が輸入取引の条件にあたるかについては、通関士試験のサイトでも有力3社が一旦は輸入取引の条件としながら、2社が再検討の結果当たらないと回答を変更しています。

この問題の考え方は、

a 設問で「再販売の条件」としている以上輸入取引の条件ではなく、加算要素とさらない。

b 輸入貨物の再販売の条件となっている以上、この条件は輸出者が輸入者に対して付しているものと考えるべきであり。輸入取引の条件である。

の両説がありどちらともきめかねます。

 


18問 次の記述は、輸入貿易管理令の規定による経済産業大臣の輸入の承認及び輸入割当てに関するものであるが、その記述の正しいものはどれか。一つを選び、その番号をマークしなさい。なお、正しい記述がない場合には、「0」をマークしなさい。

 

1 税関は、貨物を輸入しようとする者が輸入の承認を受けていること又はこれを受けることを要しないことを確認したときは、その結果をすべて経済産業大臣に通知しなければならない。

2 経済産業大臣は、輸入割当てに条件を付することができる。

3 冷凍したさばを輸入しようとする者が、当該貨物の輸入割当てを受けたときは、輸入の承認を受けることを要しない。

4 一時的に入国する者及び一時的に出国して入国する者が、本邦へ入国する際、職業用具を税関に申告の上別送して輸入しようとするときは、すべて輸入の承認を要しない。

5 輸入割当証明書の有効期間は、その交付の日から6か月(経済産業大臣がこれと異なる期間を定めたとき又はその期間を延長したときを除く。)である。

回答 2

1 ×(輸入貿易管理規則第4条により通常産業大臣が告示で定める貨物(輸入割り当て、輸入承認対象貨物等)に限り報告する。

2 ○(輸入貿易管理令第11条第1項)

3 ×(輸入貿易管理令第4条第1項第1号で輸入割当品目は、輸入承認も必要。)

4 ×(輸入貿易管理令第14条ただし書で国際約束の実施のために必要な場合で告示で定めるもの(核物質、バーゼル条約該当等)。)は特例にならない)

5 ×(交付の日から4ヶ月である。輸入管理規則)第2条第4項

難易度−やや易

ここは、あきらかにが正しいのでその意味ではやさしいが、他の項目の判断はけっこう難しい。

1と4はすべてとあると何らかの例外があると推理して間違いと考える。

3は、輸入割当と輸入承認の関係を理解していないと正しいとしてしまう可能性がある(なお、冷凍さばの輸入割当と輸入承認は同時に申請する。輸入貿易管理規則第2条第1項第2号ハ)

5は期間の問題。試験のときいろいろな期間がごっちゃになるとつらい。


19問 次の記述は、「コンテナーに関する通関条約及び国際道路運送手帳による担保の下で行なう貨物の国際運送に関する通関条約(TIR条約)の実施に伴う関税法等の特例に関する法律」に関するものであるが、その記述の正しいものはどれか。一つを選び、その番号をマークしなさい。なお、正しい記述がない場合には、「0」をマークしなさい。

 

1 関税及び消費税の免除を受けて輸入したコンテナー(以下[免税コンテナー」という。)は、その輸入の許可の日から6月以内に再輸出した場合には、その免除を受けた関税及び消費税が徴収されない。

2 免税コンテナーの再輸出期間は、税関長に届け出ることにより延長することができる。

3 免税コンテナーは、再輸出期間内であれば、国際運送以外の運送に何回でも使用することができる。

4 関税及び消費税の免除を受けて輸入したコンテナー修理用の部分品を免税コンテナーの修理の用に供したときは、当該部分品の管理者は、必要な事項を記載した届出書をその修理の場所の所在地を所轄する税関長に提出しなければならない。

5 免税コンテナーについて管理者が変わることとなったときは、その変更前の管理者は、変更後の管理者に対し、再輸出期間その他必要な事項を通知するとともに、当該免税コンテナーの輸入地を所轄する税関長にその旨を届け出なければならない。

回答 4

1 ×(再輸出期間は3ヶ月。特例法第4条)

2 ×(税関長の承認である。特例法第4条)

3 ×(1回に限る。特例法第8条第2項)

4 ○(特例法施行令第4条)

5 ×(変更後の管理者には通知義務はあるが税関長への届出義務はない。特例法第7条)

難易度−やや難

私は1が正解とあっさり答えて間違えました。期間の違いで間違い設問とはしないと山をかけはずれました。

 


20問 次の記述は、特恵関税の適用の停止に関するものであるが、その記述の正しいものはどれか。一つを選び、その番号をマークしなさい。なお、正しい記述がない場合には、「0」をマークしなさい。

 

1 すべての鉱工業産品については、特恵関税を適用する限度額等を月別に管理する方式により、特恵関税の適用が停止される。

2 特恵関税を適用する限度額等が設けられている品目については、特恵関税を適用して輸入した物品の輸入額等が当該限度額等を超えることとなった月の翌月10日の翌日から特恵関税の適用が停止される。

3 特恵関税を適用する限度額等が設けられている品目であって、一の特恵受益国等を原産地とするものの特恵関税を適用して輸入した物品の輸入額等が当該限度額等の4分の1を超えることとなった場合には、当該品目について、その超えることとなった月の翌月15日の翌日から特恵関税の適用が停止される。

4 関税暫定措置法第8条の31項に規定する特恵関税の緊急停止措置は、農水産品には適用されない。

5 特恵関税が適用される物品について関税定率法第6条の規定により報復関税が課されることとなった場合であっても、それにより特恵関税の適用が停止されることはない。

回答 5

1 ×(特定鉱工業産品のみである。関税暫定措置法第8条の4第1項)

2 ×(翌月15日の翌日からである。関税暫定措置法第8条の4第1項)

3 ×(一の特恵受益国等を原産地とするものの特恵関税を適用して輸入した物品の輸入額等が当該限度額等の4分の1を超えることとなった場合に停止されるのは、当該特恵受益国等を原産地とする当該品目である。関税暫定措置法第8条の4第1項後段)

4 ×(関税暫定措置法第8条の31項は、「前条第1項各号に掲げる品目」と規定して全品目対象となっている。)

5 ○(そのような規定はなく、関税暫定措置法第7条の5は、特恵関税適用品目については特恵関税適用を前提に報復関税が上乗せされる規定がある、)

難易度−易

.私は、特殊関税や特恵関税の制度に深くかかわっていたので易しいと思ったが一般の方にはなじみがなく難しいかもしれません。

3はややひっかけ。問題をよく読まないと正解にしそうですが、当該品目について停止では全受益国に停止になってしまう。

あと1から4は特恵の管理の仕組みを理解しておけば問題ないでしょう。

5に補足ですが、このようにしている趣旨は特恵関税や特殊関税はそれぞれ趣旨が異なるのであるものが発動されても他は影響を受けないようにしているためです。ただし数量ベースの特別緊急関税と緊急関税、豚肉の関税の緊急措置と緊急関税は同時適用できないので留意ください。関税暫定措置法第7条の22項第5号、関税暫定措置法第7条の6第4項第2号)

 


21問 次の記述は、「関税率表の解釈に関する通則」に関するものであるが、その記述の正しいものはどれか。一つを選び、その番号をマークしなさい。なお、正しい記述がない場合には、「0」をマークしなさい。

 

1 部及び類の表題は、単に参照上の便宜のために設けられたものであるので、物品の所属は、部及び類の注の規定に関わらず、項の規定に従い決定する。

2 各項に記載するいずれかの物品には、完成した物品で、提示の際に組み立ててないものを含まない。

3 物品が二以上の材料又は物質から成り、二以上の項に属するとみられる場合には、それらの項の規定を比較することなく、その物品に重要な特性を与えている材料又は構成要素から成るものとしてその所属を決定する。

4 いかなる物品であっても、その物品に最も類似する物品が属する項に属すると決定してはならない。

5 関税率表の適用に当たっては、項のうちのいずれの号に物品が属するかは、号の規定及びこれに関係する号の注の規定に従って決定する。

回答 5

1 ×(注の規定には従う。通則1)

2 ×(通則2⒜)

3 ×(通則3で、より限定的な項を優先する⒜が適用され、ついで重要な特性の⒝が適用される。)

4 ×(通則3⒞で、通則3⒜及び⒝で決定できあいときは最も類似する物品が属する項となる。)

5 ○(通則6、)

難易度−易

通則の基本的理解の問題。

推論でも1は、このようだったら注の存在意義がないので誤り。

2 輸送のために分解して分類が変わるのは不都合だから誤り。

3はまず項の規定を見るのが基本。

4 「いかなる・・・」とあるとおおかた誤り。


22問 次の記述は、関税を課する場合の適用法令に関するものであるが、その記述の正しいものはどれか。一つを選び、その番号をマークしなさい。なお、正しい記述がない場合には、「0」をマークしなさい。

 

1 特定保税運送に係る外国貨物で、その発送の日の翌日から起算して7日以内に運送先に到着しないものについては、その発送の日の翌日から起算して7日を経過した日において適用される法令による。

2 特例申告貨物については、当該特例申告貨物に係る特例申告がされた日において適用される法令による。

3 保税蔵置場にある外国貨物で、あらかじめ税関長の承認を受けることなく滅却されたものについては、当該外国貨物を当該保税蔵置場に入れた日において適用される法令による。

4 保税蔵置場に置かれた外国貨物で、輸入申告がされた後輸入の許可がされる前に当該外国貨物に適用される法令の改正があったものについては、当該輸入申告の日において適用される法令による。

5 関税法第63条第1項後段(保税運送)の規定により一括して保税運送の承認を受けて運送された外国貨物で、指定された運送の期間内に運送先に到着しないものについては、当該承認の日において適用される法令による。

回答 0

1 ×(発送の日。関税法第5条第1号(関税法第4条第1項第5号の2)

2 ×(輸入申告の日又は輸入許可の日(輸入申告の時期の特例を適用した場合)。関税法第5条)

3 ×(滅却の日。関税法第5条第1号(関税法第4条第1項第4号)

4 ×(輸入許可の日。関税法第5条第2号)

5 ×(発送の日。関税法第5条第1号(関税法第4条第1項第5号)

難易度−易

 


23問 次の記述は、関税の延滞税に関するものであるが、その記述の誤っているものはどれか。一つを選び、その番号をマークしなさい。なお、誤っている記述がない場合には、「0」をマークしなさい。

 

1 延滞税の額に千円未満の端数がある場合においては、これを切り捨てる。

2 関税法第2条の31項(災害による期限の延長)の規定により関税を納付すべき期限を延長した場合には、その関税に係る延滞税のうちその延長した期間に対応する部分の金額は、免除する。

3 延滞税を課される場合において、納税義務者がその未納又は徴収に係る関税額の一部を納付したときは、その納付の日の翌日以後の期間に係る延滞税の額の計算の基礎となる関税額は、その未納又は徴収に係る関税額からその一部納付に係る関税額を控除した額による。

4 特例申告貨物につき納付すべき関税(納付すべき期限が延長された関税を除く。)の法定納期限は、特例申告書の提出期限である。

5 やむを得ない理由により税額等に誤りがあったため法定納期限後に未納に係る関税額が確定し、かつ、その事情につき税関長の確認があった場合であって、当該法定納期限後に当該関税に係る修正申告をした場合の延滞税については、その法定納期限の翌日から当該修正申告をした日までの日数に対応する部分の金額を免除する。

回答 1

1 ×(延滞税が1,000円未満の場合は徴収しないが、1,000円以上の場合の端数は100円未満切捨てである。関税法第12条第4項)

2 ○(関税法第12条の39項)

3 ○(関税法第12条の32項)

4 ○(関税法第12条の38項第1号)

5 ○(関税法第12条の3第6項、)

難易度−やや易

 


24問 次の記述は、関税法上の罰則に関するものであるが、その記述の誤っているものはどれか。一つを選び、その番号をマークしなさい。なお、誤っている記述がない場合には、「0」をマークしなさい。

 

1 外国から本邦に到着した外国貨物である船用品を、税関長の承認を受けて、外国貨物のまま保税地域から本邦と外国との間を往来する船舶に積み込んだ場合であって、その事実を証する書類を税関に提出しなかった者は、1年以下の懲役に処される場合がある。

2 税関長の許可を受けることなく不正に輸入された貨物であることを知らない善意の第三者がこれを取得した場合、当該貨物は没収されることなく、その犯罪が行われた時の当該貨物に係る価格に相当する金額を犯人から追徴する。

3 関税法第62条の31項の規定による申告をせずに保税展示場に外国貨物を展示した場合は、1年以下の懲役に処される場合がある。

4 仕入書を改ざんして不正に関税を免れようとする得意先の輸入担当者から依頼を受けた通関業者が、当該仕入書の改ざんに気づきながらも、やむを得ず依頼どおりに税関に申告した場合であっても、当該通関業者は通関業務を代行したことのみをもって関税法違反に問われることはない。

5 通関業者が関税法第105条第1項の規定による税関職員の質問に対して偽った回答をしたときは、1年以下の懲役に処される場合がある。

回答 4

1 ○(関税法第114条の2第3号)

2 ○(関税法第118条第2項)

3 ○(関税法第115条の2第10号)

4 ×(関税法第110条第2項)

5 ○ 関税法第114条の2第10号)

難易度−やや難

私は、2を誤りにしてしまいした。没収は輸入してはいけない貨物又は輸入制限貨物に限定されているので、すべて追徴でないとして誤りにしました。しかし問題文の読み方として、善意の第三者の取得の場合は没収に代わる追徴があることを言っており全ての場合追徴があるとしているわけではないから正解とすべきでした。

4も「通関業務を代行したことのみ」で構成要件にならないとして問われないが正解としましたが、この趣旨は、輸入担当者との共謀がなくても、不正を知って申告する行為ですから関税法第118条第2項が成立します。ちなみに共謀があれば、関税法第110条第1項の罪の身分なき共犯が成立します。

 


25問 次の記述は、関税法第67条の3に規定する輸出申告の特例に関するものであるが、その記述の誤っているものはどれか。一つを選び、その番号をマークしなさい。なお、誤っている記述がない場合には、「0」をマークしなさい。

 

1 特定輸出申告は、あらかじめいずれかの税関長から特定輸出者として承認を受けた者に限り行うことができる。

2 特定輸出者は、特定輸出者の承認を受けた税関長以外の税関長に対しても特定輸出申告を行うことができる。

3 特定輸出貨物については、保税地域以外の場所に置こうとする場合であっても、税関長の許可を受けることを要しない。

4 特定輸出申告に係る貨物についても、関税暫定措置法第8条(加工又は組立てのため輸出された貨物を原材料とした製品の減税)の規定の適用を受けることができる。

5 特定輸出貨物については、その置かれている場所から外国貿易船等までの運送について、保税運送の承認を要しない。

回答 0

1 ○(関税法第67条の32項)

2 ○(関税法第67条の31項。いずれかの税関長の承認を受けた者と規定されている。)

3 ○(関税法第30条第1項第5号)

4 ○(20年度改正で関税暫定措置法第8条ができないとしていた旧関税法第67条の34項が改正された。)

5 ○ 関税法第63条号)

難易度−難

ここは、通関士試験のサイトでも有力2社が当初誤った解答とし、後日訂正しています。

私は、1で20年度改正で、認定通関業者に委託して関税法第67条第1項の規定を適用しない申告が可能になったので、1が誤りとしてしまいました。

しかし、関税法第67条の32項は、特定輸出申告と特定委託輸出申告を区別しており、認定通関業者に委託して関税法第67条第1項の規定を適用しない申告は、特定委託輸出申告であり、特定輸出申告は、あらかじめいずれかの税関長から特定輸出者として承認を受けた者に限ることは変更ありません。

 


26問 次の記述は、関税法第63条の2に規定する特定保税運送に関するものであるが、その記述の正しいものはどれか。一つを選び、その番号をマークしなさい。なお、正しい記述がない場合には、「0」をマークしなさい。

 

1 認定通関業者は、既に定めている法令遵守規則があるので、当該法令遵守規則に特定保税運送に係る事項を記載すれば、税関長の承認を受けることなく特定保税運送者になることができる。

2 特定保税運送者の承認を受けようとする法人の役員が懲役刑に処せられた場合であっても、その起因となった犯罪行為が当該法人の業務に関係しないものである場合には、特定保税運送者の欠格事由に該当しない。

3 関税法第50条第1項(保税蔵置場の許可の特例)の承認を受けている者でなければ、特定保税運送者の承認を受けることはできない。

4 特定保税運送者は、特定保税運送に関する業務を他の運送業者に委託することはできない。

5 特定保税運送に係る外国貨物が発送の日の翌日から起算して7日以内に運送先に到着しないときは、税関長は、当該外国貨物の所有者から直ちにその関税を徴収することとされている。

回答 0

1 ×(認定通関業者等で税関長の認定が必要。関税法第63条の2第1項)

2 ×(関税法第63条の4第1号ニ。犯罪の限定はない。)

3 ×(特例保税承認者以外でも認定通関業者等が資格がある。関税法第63条の2第1項)

4 ×(そのような規定はなく、できることを前提にした規定がある。関税法施行規則第7条の41号ニ)

5 ×(特定保税運送者から徴収する。関税法第65条第2項)

難易度−易

1は、制度が違い自動的にならないのは明白。

2は、懲役の欠格は、業務起因かどうかが問題でなくそのような社会的に問題のある者を排除することから、誤り。

3は、この問題のなかでも認定通関業者が引用されており、特例保税承認者に限定はない。

4は、業務委託を全面的に禁止する規定は関税法にない。

5は、通常の保税運送の場合、保税運送の承認を受けたものであることの対比からも所有者ではない。


27問 次の記述は、認定通関業者に関するものであるが、その記述の正しいものはどれか。一つを選び、その番号をマークしなさい。なお、正しい記述がない場合には、「0」をマークしなさい。

 

1 通関業務その他の輸出及び輸入に関する業務を適正かつ確実に遂行することができるものと認められる通関業者については、税関長は、当該通関業者からの申請によることなく、認定通関業者として認定することができる。

2 通関業の許可を受けて3年を経過している者は、輸出及び輸入に関する業務について法令遵守規則を定めていれば、認定通関業者の認定を受けることができる。

3 関税法第79条の2(規則等に関する改善措置)の規定による税関長の求めに応じなかったため認定通関業者の認定を取り消された通関業者であっても、法令遵守規則を整備することにより、直ちに認定通関業者の認定を受けることができる。

4 税関長は、関税法第79条の41項(認定の取消し)の規定により認定通関業者の認定を取り消した場合には、その旨及びその理由を記載した書面によりその認定を受けていた者に通知しなければならない。

5 貨物の輸出に係る通関手続の委託を受けた認定通関業者は、当該貨物に係る輸出申告を行う際に、税関長に対し、関税法第67条の21項(輸出申告又は輸入申告の時期)の規定の適用を受けないことを希望する旨の申出をすることができる。

回答 4

1 ×(申請により認定する。関税法第79条第1

2 ×(そのほかにNACCSで通関業務を行うこと等の要件がある。関税法第79条第3項

3 ×(取消後3年は認定を受けられない。関税法第79条第3項第1号イ

4 ○(関税法施行令第69条の2

5 ×(関税法第67条の21項の適用を受けないことを希望する旨の申出をするのは輸出者である。関税法第67条の31項)

難易度−易

行政手続きの公正の確保の見地から不利益処分の理由付記は原則であり、認定通関業者の認定取消の重要性から口頭通知は、ありえないので4があきらかに正しい。

1は、申請なしに認定はありえない。

2は、これだけでは足りないのは明らか。

3は、改善命令に従わず取消になった場合、規則の制定だけで復活はおかしい。

5は、ややひっかけ。あくまで申告するの輸出者であって通関業者はあくまで代理人として行動する。


28問 次の記述は、関税の課税物件の確定の時期に関するものであるが、その記述の正しいものはどれか。一つを選び、その番号をマークしなさい。なお、正しい記述がない場合には、「0」をマークしなさい。

 

1 税関長の承認を受けて総合保税地域に置かれた外国貨物については、当該承認の申請がされた時である。

2 保税展示場に入れられた外国貨物であって、当該保税展示場において当該外国貨物を加工して得た製品については、その加工の時である。

3 関税法第63条第1項後段(保税運送)の規定により一括して保税運送の承認を受けて運送された外国貨物で、運送先に到着する前に亡失したものについては、その運送が承認された時である。

4 留置された貨物で、随意契約により売却されたものについては、その売却の時である。

5 輸入申告をした後輸入の許可を受ける前に国内に引き取られた貨物については、その引取りの時である。

回答 4

1 ×(申請の承認の時。関税法第4条第1項第1号)

2 ×(入れることの承認の時。関税法第4条第1項第3号の2)

3 ×(発送のとき。関税法第4条第1項第5号)

4 ○(関税法4条第1項第7号)

5 ×(輸入申告の時。関税法4条第1項各号に該当しないので原則に戻る。第8号で輸入の許可を受けていない場合は、輸入の時としているが輸入申告したものは除かれる。)

難易度−易

 


29問 次の記述は、輸入通関に関するものであるが、その記述の正しいものはどれか。一つを選び、その番号をマークしなさい。なお、正しい記述がない場合には、「0」をマークしなさい。

 

1 特例委託輸入者は、特例申告貨物に係る輸入申告を行う際に、当該貨物に課されるべき関税等の額に相当する額の担保を提供しなければならない。

2 関税法第23条第2項の規定により税関長の承認を受けて外国貿易船に積み込んだ内国貨物である船用品を国内に引き取る場合は、輸入申告をしなければならない。

3 関税及び消費税の免除を受けて輸入しようとするコンテナーについては、コンテナーに関する通関条約及び国際道路運送手帳による担保の下で行なう貨物の国際運送に関する通関条約(TIR条約)の実施に伴う関税法等の特例に関する法律施行令第2条の規定に基づき、税関長へ積卸コンテナー一覧表を提出することにより関税法第67条に規定する輸入の許可があったものとみなされる。

4 特例輸入者が特例申告貨物に係る輸入申告を行う際には、その許可を受けようとする税関長の承認を受けなければならない。

5 本邦に主たる事務所を有しない法人が関税法第95条第1項の規定により税関事務管理人を定め、同条第2項の規定により税関長にその旨を届け出た場合であって、当該法人が貨物を輸入する場合には、当該税関事務管理人を輸入者として輸入申告を行うことができる。

回答 0

1 ×(税関長が担保を求めたときに提供。関税法第7条の8第1項)

2 ×(内国貨物であり、輸入申告は不要。関税法基本通達6743参照)

3 ×(一覧表の提出で申告とみなされる。法律施行令第2

4 ×(そのような規定はない。)

5 ×(そのような規定はない。税関事務管理人はあくまで事務を処理するのであって、輸入者になるわけではない。

難易度−やや易

 


30問 次の記述は、関税定率法第8条第9項(不当廉売関税)に規定する暫定的な措置(以下「暫定措置」という。)に関するものであるが、その記述の誤っているものはどれか。一つを選び、その番号をマークしなさい。なお、誤っている記述がない場合には、「0」をマークしなさい。

 

1 政府は、関税定率法第8条第5項の調査が開始された日から60日を経過する日以後において、その調査の完了前においても、十分な証拠により、不当廉売された貨物の輸入の事実及び当該輸入の本邦の産業に与える実質的な損害等の事実を推定することができ、当該本邦の産業を保護するため必要があると認められるときは、暫定的な関税を課することができる。

2 暫定的な関税は、当該関税を課することとして指定した貨物の正常価格と推定される価格と不当廉売価格と推定される価格との差額に相当する額と同額以下としなければならない。

3 政府は、暫定措置がとられた貨物につき、当該貨物の輸出を取り止める旨の約束を受諾したときは、当該暫定措置を解除するものとする。

4 不当廉売された貨物のうち、暫定措置がとられ、かつ、暫定措置がとられていた期間内に輸入された貨物であってその輸入が本邦の産業に実質的な損害を与えたと認められるものについては、不当廉売関税を課することができる。

5 暫定措置により課された暫定的な関税の額が関税定率法第8条第2項の規定により課される不当廉売関税の額より少ない場合には、税関長は、その差額に相当する額の関税を直ちに徴収することができる。

回答 5

1 ○(関税定率法第8条第9項第1

2 ○(関税定率法第8条第9項第1

3 ○(関税定率法第8条第10

4 ○(関税定率法第8条第2

5 ×(関税定率法第8条第2項の規定により課される不当廉売関税は、暫定措置により課された暫定的な関税の額をこえることはできない。関税定率法第8条第2項後段。

難易度−やや易

二酸化マンガンについて、初めて不当廉売関税の暫定措置が発動されたので早速出題。

暫定措置について素直な出題。ただこの方面の知識がないと5が誤りと判断するのはやや難しいかな。