〔通関書類の作成要領その他通関手続の実務〕(時間1時間30分)
【選 択 式 ・ 計 算 式】 ―― 第1問5点 第2問10点 ――
第1問 輸出申告
別紙1の仕入書及び下記事項により、「ゴム製空気タイヤとインナーチューブ」の輸出申告を通関情報処理システム(NACCS)を使用して行う場合について、別紙2の輸出申告事項登録画面の統計品目番号欄((a)〜(e))に入力すべき統計品目番号を、別冊の「輸出統計品目表」(抜すい)を参照して、下の選択肢の中から選び、その番号をマークしなさい。
記
1 統計品目番号が同一となるものがある場合は、これらを一欄にまとめる。
2 統計品目番号が異なるものの申告価格が20万円以下のものについては、これらを一括して一欄にまとめる。
なお、この場合に入力すべき統計品目番号は、これらの品目のうち申告価格が最も大きいものの統計品目番号とし、10桁目は「X」とする。
3 輸出申告事項登録は、申告価格(上記1によりまとめられたものについては、その合計額)の大きいものから順に入力されるものとし、上記2により一括して一欄にまとめるものについては、最後の欄に入力されるものとする。
4 別紙1の仕入書に記載されている品目は、すべてゴム製の新品である。
5 別紙1の仕入書に記載されている価格には、東京港における本船甲板渡し価格(FOB価格)の10%に相当する額の海上運賃及び保険料が加算されている。
6 別紙1の仕入書に記載されている米ドル建価格の本邦通貨への換算は、別紙3の「実勢外国為替相場の週間平均値」を参照して行う。
7 申告年月日は、平成20年10月1日とする。
@ 4011990006 A 401140000X B 4011690001 C 4013200004 D 401320000X
E 4011100004 F 4013900004 G 4013100000 H 401390000X I 4011610002
J 4011200001 K 401310000X L 4011500006 M 401150000X N 4011400002
別紙1 仕入書
*** 必要情報のみ抜粋***
Description of goods |
Quantity |
Unit Price |
Amount |
New pneumatic tyres and inner tubes of
rubber |
No. |
per pc |
CIFUS$ |
Tyres for passenger cars |
125 |
120.00 |
15,000.00 |
Tyres for bicycles |
90 |
25.00 |
2,250.00 |
Tyres for motorcycles |
20 |
105.00 |
2,100.00 |
Tyres for racing cars |
55 |
298.00 |
16,390.00 |
Tyres for lorries |
80 |
135.00 |
10,800.00 |
Inner tubes for station wagons |
250 |
110.00 |
27,500.00 |
Inner tubes for motorcycles |
20 |
95.00 |
1,900.00 |
Inner tubes for bicycles |
260 |
8.00 |
2,080.00 |
Total CIF NEW TORK |
|
US$ |
78,020.00 |
別紙2 輸出申告事項登録画面
(省略)
別紙3 実勢外国為替相場の週間平均値
(1米ドルに対する円相場)
期 間 週間平均値
平成20. 9. 7
〜 平成20. 9.13 ¥103.60
平成20. 9.14
〜 平成20. 9.20 ¥104.00
平成20. 9.21
〜 平成20. 9.27 ¥103.40
平成20. 9.28
〜 平成20.10. 4 ¥103.00
別冊 輸出統計品目表(抜すい)
番号 |
細分番号 |
NACCS用 |
品 名 |
単位 |
DESCRIPITION |
|
T |
U |
|||||
40.11 |
|
|
ゴム製の空気タイヤ(新品のものに限る。) |
|
|
New pneumatic tires, of rubber: |
4011.10 |
000 |
4 |
−乗用自動車(ステーションワゴン及びレーシングカーを含む。)に使用する種類のもの |
NO |
KG |
Of a kind used on motor cars (including station wagons |
4011.20 |
000 |
1 |
−バス又は貨物自動車に使用する種類のもの |
NO |
KG |
Of a kind used on buses or trucks: |
4011.30 |
000 |
5 |
−航空機に使用する種類のもの |
NO |
KG |
Of a kind used on aircraft |
4011.40 |
000 |
2 |
−モーターサイクルに使用する種類のもの |
NO |
KG |
Of a kind used on motorcycles |
4011.50 |
000 |
6 |
−自転車に使用する種類のもの |
NO |
KG |
Of a kind used on bicycles |
|
|
|
−その他のもの(杉綾模様その他これに類する模様となるトレッドを有するものに限る。) |
|
|
Other, having a herring-bone" or similar tread: |
4011.61 |
000 |
2 |
−−農業用又は林業用の車両及び機械に使用する種類のもの |
NO |
KG |
Of a kind used on agricultural or forestry vehicles and
machines |
4011.62 |
000 |
1 |
−−建設用又は産業用の車両及び機械に使用する種類のものでリム径が61センチメートル以下のもの |
NO |
KG |
Of a kind used on construction or industrial handling
vehicles and machines and having a |
4011.63 |
000 |
0 |
−−建設用又は産業用の車両及び機械に使用する種類のものでリム径が61センチメートルを超えるもの |
NO |
KG |
Of a kind used on construction or industrial handling
vehicles and machines and having a |
4011.69 |
000 |
1 |
−−その他のもの |
NO |
KG |
Other |
|
|
0 |
−その他のもの |
|
|
Other: |
4011.92 |
000 |
6 |
−−農業用又は林業用の車両及び機械に使用する種類のもの |
NO |
KG |
Of a kind used on agricultural or forestry vehicles and
machines |
4011.93 |
000 |
5 |
−−建設用又は産業用の車両及び機械に使用する種類のものでリム径が61センチメートル以下のもの |
NO |
KG |
Of a kind used on construction or industrial handling
vehicles and machines and having a |
4011.94 |
000 |
1 |
−−建設用又は産業用の車両及び機械に使用する種類のものでリム径が61センチメートルを超えるもの |
NO |
KG |
Of a kind used on construction or industrial handling
vehicles and machines and having a |
4011.99 |
000 |
6 |
−−その他のもの |
NO |
KG |
Other: |
40.12 |
|
|
ゴム製の空気タイヤ(更生したもの及び中古のものに限る。)並びにゴム製のソリッドタイヤ、クッションタイヤ、タイヤトレッド及びタイヤフラップ |
|
|
Retreaded or used pneumatic tires of rubber; solid or
cushion tires, tire treads and tire flaps, of rubber: |
|
|
|
−更生タイヤ |
|
|
Retreaded tires: |
4012.11 |
000 |
1 |
−−乗用自動車(ステーションワゴン及びレーシングカーを含む。)に使用する種類のもの |
NO |
KG |
Of a kind used on motor cars (including station |
4012.12 |
000 |
0 |
−−バス又は貨物自動車に使用する種類のもの |
NO |
KG |
Of a kind used on buses or trucks: |
4012.13 |
000 |
6 |
−− 航空機に使用する種類のもの |
NO |
KG |
Of a kind used on aircraft |
4012.19 |
000 |
0 |
−− その他のもの |
NO |
KG |
Other |
4012.20 |
000 |
6 |
− 空気タイヤ(中古のものに限る。) |
NO |
KG |
Used pneumatic tires: |
4012.90 |
000 |
6 |
− その他のもの |
NO |
KG |
Used pneumatic tires: |
40.13 |
|
|
ゴム製のインナーチューブ |
|
|
Inner tubes, of rubber: |
4013.10 |
000 |
0 |
− 乗用自動車(ステーションワゴン及びレーシングカーを含む。)、バス又は貨物自動車に使用する種類のもの |
NO |
KG |
Of a kind used on motor cars (including station wagons
and racing cars), buses or trucks |
4013.20 |
000 |
4 |
− 自転車に使用する種類のもの |
NO |
KG |
Of a kind used on bicycles |
4013.90 |
000 |
4 |
− その他のもの |
NO |
KG |
Other: |
回答
⒜−E ⒝−G ⒞−J ⒟−L ⒠−A
難易度−やや難
まず適用レートを確認します。申告の日の前々週の実勢外国為替相場の週間平均値であり、申告年月日は、平成20年10月1日ですから、平成20. 9.14 〜 平成20. 9.20の104.00円になります。もっとも輸出申告では価格は回答しませんから、合算対象の20万円以下の判断にのみ関係しますが、次の輸入の練習もこめてきちんと押えます。
申告価格はFOBになりますから、問題の条件に従ってインボイスのCIF価格を1.1で割ってFOB価格に戻してレートの104をかけます。
また各項目別に分類を決めます。とりあえず9桁までです。
|
|
|
CIFドル |
申告価格 |
1 |
Tyres for passenger cars |
4011.10-000 |
15,000.00 |
1,418,181.8 |
2 |
Tyres for bicycles |
4011.50-000 |
2,250.00 |
212,727.3 |
3 |
Tyres for motorcycles |
4011.40-000 |
2,100.00 |
198,545.5 |
4 |
Tyres for racing cars |
4011.10-000 |
16,390.00 |
1,549,600.0 |
5 |
Tyres for lorries |
4011.20-000 |
10,800.00 |
1,021,090.9 |
6 |
Inner tubes for station wagons |
4013.10-000 |
27,500.00 |
2,600,000.0 |
7 |
Inner tubes for motorcycles |
4013.90-000 |
1,900.00 |
179,636.4 |
8 |
Inner tubes for bicycles |
4013.20-000 |
2,080.00 |
196,654.5 |
毎年、申告書の作成問題の分類は、そのもの名前で出ていたりして迷うことはないのですが、今年は「passenger cars」で迷いました。乗用自動車でいいかなとおもいつつ、バスも乗客(passenger)を乗せているな。4011.10の英語は、motor carsで決め手なし。最後は単価が、motorcycles用とあまり違わない、バス用ならもっと高いはずとして乗用自動車と判断して正解でした。
上記の結果かから1と4は、同一統計番号なのでまとめ、3、7、8は20万円以下なのでこの中で最高金額の3を代表統計番号としてまとめます。
申告価格の多い順(小額合算を除く)にならべると
4011.10-000
4013.10-000
4011.20-000
4011.50-000
この順で10桁目にNACCS用の数字のはいった選択肢を探して回答。
5番目は4011.40-000Xとなる。
なお問題の選択肢は、4011990006のように10桁が区切りのなく並んでおり、かつ順番がばらばらであるのでせっかく正しい答えがわかっても回答を探し間違えるとつまらないの慎重に探しましょう。
第2問 輸入(納税)申告
別紙1の仕入書及び下記事項により、米国から「ランプその他の照明器具とその部分品」を輸入する場合の輸入申告を通関情報処理システム(NACCS)を使用して行う場合について、以下の問いに答えなさい。
(1)別紙2の輸入申告事項登録画面の品目番号欄((a)〜(e))に入力すべき品目番号を、別冊の「実行関税率表」(抜すい)を参照して、下の選択肢から選び、その番号をマークしなさい。
(2)別紙2の輸入申告事項登録画面のベーシックPR金額の右欄((f)〜(j))に入力すべき申告価格の額をマークしなさい。
記
1 品目番号が同一となるものがある場合は、これらを一欄にまとめる。
2 品目番号が異なるものの申告価格が20万円以下のもの(下記3において「少額貨物」という。)については、これらを関税が有税である品目と無税である品目とに分けて、それぞれを一括して一欄にまとめる。
なお、この場合に入力すべき品目番号は、以下のとおりとする。
(1)有税である品目については、一欄にまとめた品目のうち関税率が最も高いものの品目番号とし、10桁目は「X」とする。
(2) 無税である品目については、一欄にまとめた品目のうち申告価格が最も大きいものの品目番号とし、10桁目は「X」とする。
3 品目番号欄((a)〜(e))には、少額貨物以外のものについて、申告価格(上記1によりまとめられたものについては、その合計額。)の大きいものから順に入力されるものとする。
なお、上記2によりまとめられた少額貨物については、少額貨物以外のものが入力された後に入力されるものとし、当該少額貨物が二欄以上となる場合には、そのまとめられたものの合計額の大きいものから順に入力されるものとする。
4 ベーシックPR金額の右欄((f)〜(j))には、別紙1の仕入書に記載された価格に、下記6のデザイン料並びに下記7の運賃及び保険料のうち、申告価格に加算すべきものを加算した額を本邦通貨へ換算した後の申告価格を記載することとする。なお、1円未満の端数がある場合は、これを切り捨てる。
5 別紙1の仕入書に記載されている米ドル建価格の本邦通貨への換算は、別紙3の「実勢外国為替相場の週間平均値」を参照して行う。
6 輸入者は、輸出者が製造したランプ及びその部分品を輸入しているが、これらの物品は、米国のデザイナーが米国でデザインしたものであり、輸入者がデザイン料として当該デザイナーへFOB価格の4%を支払っている。
7 本邦到着までの運賃及び保険料の総額は14,346.80米ドルであり、申告価格への振分けは価格按分とする。上記2により一欄にまとめる場合には、合算した後の仕入書価格により按分する。
8 申告年月日は、平成20年9月25日とする。
@ 9405500904 A 940599099X B 940560040X C 9405600201 D 9405600400
E 9405100003 F 9405990996 G 940550090X H 9405300004 I 9405910006
J 9405200000 K 9405920005 L 940592000X M 9405600105 N 940591000X
別紙1 仕入書
*** 必要情報のみ抜粋***
Description of goods |
Quantity |
Unit Price |
Amount |
Lamps and lighting fittings & parts |
pcs |
per pc |
FOBUS$ |
Electric table lamps |
330 |
48.00 |
15,840.00 |
Non-electric table lamps of plastics |
40 |
35.00 |
1,400.00 |
Illuminated signs of glass |
190 |
115.00 |
21,850.00 |
Lighting sets for Christmas trees |
302 |
40.00 |
12,080.00 |
Parts for lightings of plastics |
1 lot |
|
1,275.00 |
Parts for lightings of fittings of glass |
1 lot |
|
1,375.00 |
Illuminated signs of plastics |
20 |
68.00 |
1,360.00 |
Total FOB NEW TORK |
|
US$ |
53,820.00 |
Mark欄に Made in U.S.Aの記載があります。
別紙2 輸入申告事項登録画面
(省略)
別紙3 実勢外国為替相場の週間平均値
(1米ドルに対する円相場)
期 間 週間平均値
平成20. 8. 3
〜 平成20. 9. 6 ¥103.60
平成20. 9. 7
〜 平成20. 9.13 ¥104.30
平成20. 9.14
〜 平成20. 9.20 ¥103.40
平成20. 9.21
〜 平成20. 9.27 ¥103.00
別冊 実行関税率表(抜すい)
番号 |
統計細分 |
NACCS用 |
品 名 |
単位 |
単位 |
DESCRIPITION |
|||
基本 |
協定 |
特恵 |
暫定 |
||||||
94.05 |
|
|
ランプその他の照明器具及びその部分品(サーチライト及びスポットライトを含むものとし、他の項に該当するものを除く。)並びに光源を据え付けたイルミネーションサイン、発光ネームプレートその他これらに類する物品及びこれらの部分品(他の項に該当するものを除く。) |
|
|
|
|
|
Lamps and lighting fittings including searchlights
and spotlights and parts thereof, not elsewhere specified or included;
illuminated signs, illuminated nameplates and the like, having a permanently
fixed light source, and parts thereof not elsewhere specified or included: |
9405.10 |
000 |
3 |
シャンデリアその他の天井用又は壁掛け用の電気式照明器具(公共の広場又は街路の照明に使用する種類のものを除く。) |
無税 |
(無税) |
|
|
KG |
Chandeliers and other electric ceiling or
wall lighting fittings, excluding those of a kind used for lighting public
open spaces or thoroughfares: Of base metal: |
9405.20 |
000 |
0 |
卓上用、机上用、ベッドサイド用又は床置き用の電気式ランプ |
無税 |
(無税) |
|
|
KG |
Electric table, desk, bedside or
floor-standing lamps: |
9405.30 |
000 |
4 |
クリスマスツリーに使用する種類の照明セット |
無税 |
(無税) |
|
|
KG |
Lighting sets of a kind used for Christmas
trees |
9405.40 |
|
|
電気式のランプその他の照明器具(他の号に該当するものを除く。) |
無税 |
|
|
|
|
Other electric lamps and lighting
fittings: |
|
010 |
4 |
−サーチライト及びスポットライト |
|
(無税) |
|
|
KG |
Searchlights and spotlights |
|
090 |
0 |
−その他のもの |
|
(無税) |
|
|
KG |
Other |
9405.50 |
|
|
非電気式のランプその他の照明器具 |
無税 |
|
|
|
|
Non-electrical lamps and lighting
fittings: |
|
010 |
1 |
−大理石製のもの |
|
(無税) |
|
|
KG |
Of marble |
|
090 |
4 |
−その他のもの |
|
(無税) |
|
|
KG |
Other |
9405.60 |
|
|
イルミネーションサイン、発光ネームプレートその他これらに類する物品 |
|
|
|
|
|
Illuminated signs, illuminated nameplates
and the like: |
|
|
|
1 ガラス製、木製、腸製、ゴールドビータースキン製、ぼうこう製又は腱製のもの |
無税 |
|
|
|
|
1 Of glass, of wood, of gut (other than silk worm
gut), of goldbeater |
|
010 |
5 |
−ガラス製のもの |
|
(無税) |
|
|
KG |
Of glass |
|
020 |
1 |
−木製のもの |
|
(無税) |
|
|
KG |
Of wood |
|
030 |
4 |
−腸製、ゴールドビーターススキン製、ぼうこう製又は腱製のもの |
|
(無税) |
|
|
KG |
Of gut (other than silk worm gut), of
goldbeater |
|
040 |
0 |
2 その他のもの |
5.8% |
4.8% |
無税 |
|
KG |
2 Other |
|
|
|
部分品 |
|
|
|
|
|
Parts: |
9405.91 |
000 |
6 |
ガラス製のもの |
無税 |
(無税) |
|
|
KG |
Of
glass: |
9405.92 |
000 |
5 |
プラスチック製のもの |
5.8% |
3.9% |
無税 |
|
KG |
Of
plastics |
9405.99 |
|
|
その他のもの |
無税 |
|
|
|
|
Other |
|
020 |
4 |
−木製のもの |
|
(無税) |
|
|
KG |
Of wood |
|
|
|
−その他のもの |
|
(無税) |
|
|
|
Other |
|
091 |
5 |
−−卑金属製のもの |
|
|
|
|
KG |
Of base metal |
|
099 |
6 |
−−その他のもの |
|
|
|
|
KG |
Other |
回答
⒜−M ⒝−J ⒞−H ⒟−G ⒠−B
⒡−2962641 ⒢−2147745 ⒣−1637927 ⒤−0376262 ⒥−0357279
注 答案用紙の数値記入は7桁で行うため桁に満たない場合は0をマークする。
難易度−やや易
まず適用レートを確認します。申告の日の前々週の実勢外国為替相場の週間平均値であり、申告年月日は、平成20年9月25日ですから、平成20. 9. 7 〜 平成20. 9.13の104.30円になります。
ところでこの解説ではわかりませんが、実際の問題は、5ページ目に第1問の最後の別紙3でレートが表示され、そのページの下から第2問が始まっています。そして第2問用のレート表は、11ページにあります。しかも第1問と第2問のレートは平成20. 9. 7 〜 平成20. 9.13の分は違います。うっかり輸出用のレート使うと⒡から⒥が全滅します。すこしいじわるかな?単なる偶然?現物は通関士試験の発表後税関のHPで問題解答が公表されたPDFファイルで出題そのままの状態で確認できますのでごらんください。
ついで申告価格の総額を算出します。インボイス価格はFOBなのでこれに運賃及び保険料を加算します。また、デザイン料については、米国で作成されていますので加算要素である本邦以外で開発された意匠に該当します。(輸出者に無償提供と直接はいっていませんが、デザイン料は輸入者が支払っていますから、輸出者に無償提供と認められます。)
よって課税価格の総額は、
(55.180+14,346.8+55.180×0.04)×104.30=7,481,856.2 円
各項目別の申告価格は
各項目のFOB価格(ドル)/FOB価格の総額(55.180ドル)×7,481,856.2で算出します。
また各項目別に分類を決めます。とりあえず9桁までです。
|
|
|
FOBドル |
申告価格 |
1 |
Electric table lamps |
9406.20-000 |
15,840.00 |
2,147,745.60 |
2 |
Non-electric table lamps of plastics |
9405.59-090 |
1,400.00 |
189,826.00 |
3 |
Illuminated signs of glass |
9405.60-010 |
21,850.00 |
2,962,641.50 |
4 |
Lighting sets for Christmas trees |
9405.30-000 |
12,080.00 |
1,637,927.20 |
5 |
Parts for lightings of plastics |
9405.92-000 |
1,275.00 |
172,877.25 |
6 |
Parts for lightings of fittings of glass |
9405.91-000 |
1,375.00 |
186,436.25 |
7 |
Illuminated signs of plastics |
9405.60-040 |
1,360.00 |
184,402.40 |
上記の結果かから、同一統計番号でまとめるものはなく、2、5、6、7は20万円以下なのでまず有税と無税に区分します。
そうすると2の9405.59-090と、6の9405.91-000は基本無税なのでまとめます。また5の10,800.00と7の9405.60-040は有税(米国産なので協定税率適用)なのでこれらをまとめることとし、有税品は、関税率の高いに9405.60-040、無税品は、申告価格のもっとも多い、9405.59-090で申告します。
小額合算以外を申告価格の多い順に並べ、ついで小額合算を申告価格の多い順
9405.60-010 |
2,962,641 |
円 |
9406.20-000 |
2,147,745 |
円 |
9405.30-000 |
1,637,927 |
円 |
9405.59-090 |
376,262 |
円 |
9405.60-040 |
357,279 |
円 |
この順で10桁目にNACCS用の数字のはいった選択肢を探して回答。
4、5番目は10桁目はXとなる。
検算します。答案用紙の金額を合計します。7,481,854 円です。さきほどの課税価格の総額との差は2円です。これで適正です。もし5円以上乖離があればデータの計算違いまたは回答の記入ミスの可能性があります。回答の記入ミスの確認のために必ず答案用紙の数字を合計します。
【選 択 式】 ―― 各問題1点 ――
第3問 次の記述は、関税率表の類の注の規定に関するものであるが、その記述の正しいものはどれか。すべてを選び、その番号をマークしなさい。
1 第56.02項のフェルト(染み込ませ、塗布し、被覆し又は積層したものであるかないかを問わない。)には、フェルトにプラスチック又はゴムを染み込ませ、塗布し、被覆し又は積層したもので紡織用繊維の重量が全重量の50%以下の物品を含まない。
2 第58.10項のししゅう布(モチーフを含む。)には、金属糸又はガラス繊維の糸によりししゅうした物品で紡織用繊維の織物類の基布が見えるものを含まない。
3 第61類(衣類及び衣類附属品(メリヤス編み又はクロセ編みのものに限る。))の衣類については、衣類の裁断により男子用の衣類であるか女子用の衣類であるかを明らかに判別することができるものを除き、正面で左を右の上にして閉じるものは男子用の衣類とみなし、正面で右を左の上にして閉じるものは女子用の衣類とみなす。
4 第64類(履物及びゲートルその他これに類する物品並びにこれらの部分品)には、整形外科用の履物を含まない。
5 第66.02項のつえには、鉛を詰めた護身用のつえを含まない。
回答 1,3、4.5
1 ○(58類注3⒜。39類又は40類になる)
2 ×(含む。58類注6)
3 ○(61類注9)
4 ○(64類注1⒟。90.23項))
5 ○(66類注1⒜。93類)
難易度−やや難
答えが4つあります。選択式では、択一式との差異のために答えは2又は3であるのが通常なので裏をかかれました。5について仕込み銃や仕込みつえなら迷わず、93類で66類と判断しましたが、鉛をつめたものが武器か迷って判断を誤りました。
第4問 次の記述は、関税の確定及び納付に関するものであるが、その記述の正しいものはどれか。すべてを選び、その番号をマークしなさい。
1 納付書は、税関職員が作成したものでなければ、関税の納付に際し使用することはできない。
2 決定とは、納税申告が必要とされている貨物についてその輸入の時(特例申告貨物については、特例申告書の提出期限)までに納税申告がない場合に、税関長がその調査により当該貨物に係る税額等を決定する処分である。
3 輸入の許可後における修正申告は、輸入許可書に記載された課税標準又は税額を補正することにより行うことができる。
4 先に行った納税申告に係る税額につき更正があった場合において、その更正後の税額に不足額があるときは、税関長の更正があるまでは、修正申告を行うことができる。
5 賦課課税方式とは、輸入貨物について納付すべき税額が専ら税関長の処分によって確定する方式である。
回答 2、4.5
1 ×(そのような規定はない。通常輸入者が作成する。)
2 ○(関税法第7条の16第2項)
3 ×(補正による修正申告は輸入許可前の場合に限る。許可後は修正申告書を提出する。関税法第7条の14第2項)
4 ○(関税法第7条の14第1項第1号)
5 ○(関税法第6条の2第1項第2号)
難易度−易
基本的事項の出題。多少とまどうは4でしょうか。関税法第7条の14は読みにくい条文ですがきっちりおさえましょう。
第5問 次の記述は、課税価格に関するものであるが、その記述の正しいものはどれか。すべてを選び、その番号をマークしなさい。
1 買手が輸入貨物を本邦で再販売できる地域が、当該買手と売手との間の合意により本邦の特定の地域に限定されている場合であっても、当該輸入貨物の取引価格を課税価格とすることができる。
2 輸入貨物の仕入書価格が、売手と買手との間で合意された当該輸入貨物に係る売買価格から売手が買手に対して負っている債務の額を控除した額となっている場合には、当該仕入書価格を現実支払価格として課税価格を計算することはできない。
3 輸入貨物に保険が付されていない場合は、通常要すると認められる保険料の額として税関長が公示する額を課税価格に算入する。
4 外国に所在する法人から本邦に所在する別の法人に社内使用のために寄贈された物品で、航空機により運送されたものの課税価格は、航空機による運送方法以外の通常の運送方法による運賃及び保険料の額に基づいて計算する。
5 買手が輸入貨物の外貨建て購入価格の一部を当該輸入貨物の輸入前に売手に支払った場合における当該前払額の本邦通貨への換算は、当該前払いを行った日における税関長が公示する外国為替相場による。
回答 1、2
1 ○(再販売地域の制限は取引価格を課税価格とできない理由にあたらない。)
2 ○(債務分が間接支払いになるため、仕入書価格を課税価格にできない)
3 ×(そのような規定はない。関税定率法基本通達4―8⑷イ)
4 ×(寄贈物品についての運賃特例は、個人用用途でかつ航空機で運送した場合の運賃保険料で計算して10万円以下である。)
5 ×(そのような規定はない。支払いの日にかかわらず、法令適用の日のレートになる。)
難易度−やや易
難しいのは、4.運賃特例は価格制限のあるもの、ないものがあってやっかい。最も、特例になる寄贈物品は、個人用か公益寄贈であるから社内利用は含まれないことを考えれば、問題ないか。
第6問 次の記述は、輸出申告に関するものであるが、その記述の正しいものはどれか。すべてを選び、その番号をマークしなさい。
1 輸出申告書に記載すべき貨物の価格は、当該貨物が無償で輸出される場合であっても、有償で輸出されるものとした場合の価格とすることとされている。
2 輸出者は、輸出の許可を受けた貨物が輸出されないこととなったことその他の事由により当該貨物が輸出の許可を受けている必要がなくなったときは、その許可をした税関長に対し、当該許可を取り消すべき旨の申請をすることができる。
3 輸出申告は、その申告に係る貨物が置かれている場所又は当該貨物を外国貿易船若しくは外国貿易機に積み込もうとする開港、税関空港若しくは不開港の所在地を所轄する税関長に対してしなければならない。
4 輸出しようとする貨物が関税法第70条第1項又は第2項(証明又は確認)に規定する貨物以外の貨物であって、その輸出申告価格の総額が100万円以下である場合には、輸出申告に際し仕入書の提出を要しない。
5 輸出申告に係る貨物の検査は、関税法第69条第2項(貨物の検査場所)の規定に基づく税関長の許可を受けた場合を除き、税関長が指定した場所で行うこととされている。
回答 1、4,5
1 ○(関税法施行令第59条の2第2項)
2 ×(特定輸出申告を除き、輸出許可の取消ではなく再輸入手続きとなる。関税法基本通達67―1―14)
3 ×(特定輸出申告又は特定委託輸入申告は、積込予定の開港、税関空港若しくは不開港の所在地を所轄する税関長にも行える(関税法第67条の3第2項)が、通常の輸出申告は、貨物の置かれている場所を管轄する税関長にしかできない。)
4 ○(関税法施行令第80条第3項第1号)
5 ○(関税法第69条第1項)
難易度−やや易
実は、2について一般の輸出申告について取消ができないかについては、関税法に取消ができるという規定がないために、輸出許可という行政処分に瑕疵があれば、行政法の一般的原理で取消はありうるが、そうでない場合は取消ができないと解釈されており、従って再輸入により内国貨物にすることになる。
3についても、輸出許可は物に対する行政処分であり、従って特別の規定がない限り、物が所在する場所に土地管轄を有する税関長しか処分できないと解釈される。
第7問 次の記述は、関税法第70条に規定する他法令の証明又は確認に関するものであるが、その記述の正しいものはどれか。すべてを選び、その番号をマークしなさい。
1 保税工場において製造された外国貨物を外国に積み戻す場合には、関税法第70条の規定が適用される。
2 輸出貿易管理令別表第2に掲げる貨物であって、経済産業大臣の承認の権限が税関長に委任されている貨物については、関税法第70条の規定は適用されない。
3 他の法令の規定により輸出に関して許可を必要とする貨物(外国為替及び外国貿易法第48条第1項に規定する輸出の許可を必要とするものを除く。)のうち、輸出申告価格の総額が20万円以下のものを輸出しようとする場合には、仕入書の提出を必要としない。
4 他の法令の規定により輸出に関して許可を必要とする貨物を輸出しようとする場合において、輸出申告の際に当該許可を受けていることを証明できない特別な事由がある場合には、当該貨物を船積みするまでの間に当該許可を受けていることを税関に証明することができる。
5 国際郵便により貨物を無償で輸出する場合であっても、関税法第70条の規定が適用される。
回答 1、5
1 ○(関税法第75条で第70条を準用。)
2 ×(そのような規定はない)
3 ×(10万円である。関税法施行令第60条第3項第2号)
4 ×(そのような例外はない。)
5 ○(関税法第76条第4項で第70条を準用。)
難易度−やや難
3のところで金額が違うのに確信が持てずに正しいとしてしまいました。
【計 算 式】 ―― 各問題1点 ――
第8問 2品目について、1申告書で輸入(納税)申告をしたが、納税後において、下表のとおりそのうちの1品目の関税額が過少であることが判明し、修正申告をすることとなった。当該修正申告により納付すべき関税額を計算し、その額をマークしなさい。
品 名 |
修正前の関税額 |
修正後の関税額 |
A |
123,653円 |
123,653円 |
B |
25,321円 |
27,550円 |
回答
修正前の納付すべき額 123,653円+25,321円=148,974円・・148,900円(端数整理後)
修正前の納付すべき額 123,653円+27,550円=151,203円・・151,200円(端数整理後)
よって当該修正申告により納付すべき関税額は、151,200円-148,900円=2,300円
端数整理の基本(1申告で税額の合計額について100円未満切捨て)を理解していればなんら問題のないもの。
難易度−易
第9問 税関長の承認を受けて総合保税地域に置かれた外国貨物で課税価格が170,895円のものを、下表の経緯で輸入する場合に、当該外国貨物について納付すべき関税額を計算し、その額をマークしなさい。
なお、下表の関税率改正の施行日は、平成20年4月1日とする。
輸入(納税)申告の日 |
輸入の許可前における貨物の引取りの承認の申請及びその承認の日 |
輸入許可の日 |
関税率改正の内容 |
|
改正前 |
改正後 |
|||
平成20年 3月25日 |
平成20年 3月28日 |
平成20年 4月3日 |
12.6% |
8.6% |
回答
170,895円・・・・170,000円(端数整理後)
170,000円×0.126=21,400円・・21,4000円(端数整理後)
よって納付すべき関税額は、21,4000円
難易度−やや易
回答のポイントは二つ。
1 関税額の計算における端数整理(課税標準は1000円、関税の額の確定額は100円)(関税法第13条の4で準用する国税通則法第118条第T項及び第2項並びに第119条第1項及び第3項)
2 税関長の承認を受けて総合保税地域に置かれた貨物についての法令適用のとき(原則、輸入(納税)申告の日。輸入(納税)申告の後、輸入許可(輸入の許可前における貨物の引取りの承認を受けた場合は、その承認)まで法令改正があった場合は、当該許可又は承認の日(関税法第5条第2号)
ところが私この問題を間違えてしまいました。電卓で計算するさい、12.6%を、0.0126と入力したのです。多くの場合10%未満の税率で0.0・・と入力するのくせになっていたためのミスです。やはり12.6をかけ、100で割るという基本動作に徹するのが計算ミスをさけるため必要です。
第10問 次の取引内容に係る輸入貨物の課税価格を計算し、その額をマークしなさい。
1 輸入者M(買手)は、輸出者X(売手)から調製食料品を輸入する。
2 当該調製食料品の売買契約書には、次の事項が規定されている。
イ 当該調製食料品のCIF価格
ロ 当該調製食料品の生産のために使用する調味料は、Mが本邦のYから有償で取得し、Xに同額で提供するが、当該提供のために要する運賃及び保険料はMが負担する旨
ハ 当該調製食料品の原材料の調達に要した費用が、当初予定した価格を上回った場合には、Mがその差額分を負担する旨
二 当該調製食料品の輸入港までの運送について、追加料金をXが船会社から請求された場合には、当該追加料金の半額をMが負担する旨
3 上記2のイからハまでに掲げた事項について仕入書に記載されているそれぞれの額は、次のとおりである。
イ 当該調製食料品のCIF価格 |
4,800,000円 |
ロ 有償で取得した調味料の価格 |
-300,000円 |
ハ 当初予定を上回って原材料の調達に要した差額
250,000円 |
|
計 |
4,750,000円 |
4 MがXに調味料を提供するために要した運賃及び保険料の総額は、15,000円である。
5 当該調製食料品の輸入港までの運送について、Xが船会社から請求された追加料金は、50,000円である。
6 M、X及びYとの間には、それぞれ特殊関係はない。
回答
4,750,000円・・・・MからXへ仕入れ書により直接支払額
+ 300,000円・・・・有償で提供した調味料の代金を相殺したことによる支払い額
+ 15,000円・・・・調味料の提供に要する運賃等をMが負担したことによる値引き提供として加算要素
+ 50,000円/2・・・船会社から請求された追加料金のうちMの負担分
5,090,000円
難易度−易
課税価格に含まれるかどうかの判断に迷う要素はありません。らくらく正解すべきですが、間違いました。最後の追加運賃を50000円全額加算してしまいました。問題をよく読めば船会社からの請求のうち半分負担だから1/2は当然すべきでした・
第11問 次の取引内容に係る輸入貨物の課税価格を計算し、その額をマークしなさい。
1 輸入者M(買手)は、A国の輸出者X(売手)からプラスチック製品を購入する契約を、Xの子会社Y(本邦所在)を介して締結した。
2 当該調製食料品の売買契約書には、次の事項が規定されている。
イ 単価 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・250円
ロ 売買契約数量 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・24,000個
ハ 購入価格の1.5%の販売に関する手数料をMがYに支払う旨
二 当該プラスチック製品の生産のために使用される金型は、Mが自社生産しXに無償提供する旨
ホ Xは、契約数量分の当該プラスチック製品を生産した後に、当該金型を廃棄する旨
3 Mは、当該プラスチック製品24,000個のうち、20,000個はB国の販売支店に送ることとし、残りの4,000個を本邦に輸入する。
4 Mは、当該プラスチック製品の生産に使用された金型のXへの無償提供及び当該プラスチック製品の運送に関連して、次に掲げる額の費用を上記購入価格及び販売に関する手数料とは別に負担している。
イ 当該プラスチック製品の生産に使用された金型の生産費 ・・・・・・・42,000円
ロ 上記金型をXへ提供するために要した運賃及び保険料 ・・・・・・・・・6,000円
ハ 当該プラスチック製品20,000個をB国の輸入港まで運送するために要した運賃及び保険料・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・85,000円
ニ 当該プラスチック製品4,000個を本邦の輸入港まで運送するために要した運賃及び保険料・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・35,000円
5 MとXとの間には、特殊関係はない。
回答
1,000,000円・・・・250円×本邦に輸入する4000個
+ 15,000円・・・・1,000,000円×1.5%
+ 8,000円・・・・金型の提供に要した費用を本邦向けの個数で按分
(42,000円+6,000円)×4,000/2,400
+ 35,000円・・・・当該プラスチック製品4,000個を本邦の輸入港まで運送するために要した運賃及び保険料
1,058,000円
難易度−易
課税価格に含まれるかどうかの判断に迷う要素はありません。らくらく正解すべきですが、間違いました。金型費用48,0000円全額加算してしまいました。問題をよく読んで一部しか輸入していないのにきがつくべきでした。
なおMがYに支払う手数料は、販売に関するものですから加算でない買い付け手数料ではないことはあきらかです。
また、Mが自社生産しXに無償提供する金型は、24,000個の生産後に、廃棄されますからこの費用を24,000個に按分します。
第12問 次の取引内容に係る輸入貨物の課税価格を計算し、その額をマークしなさい。
1 A国のX(売手)は、事務用椅子を1脚当たり工場渡価格3,000円で販売するが、すべての購入者に対して、1契約当たりの購入数量に応じて、次の値引きを与えている。
購入数量 |
値引率 |
50脚以上100脚未満 |
5% |
100脚以上500脚未満 |
10% |
500脚以上 |
20% |
2 輸入者M(買手)は、Xとの間で当該事務用椅子500脚を上記工場渡価格で購入する契約を締結した。
3 Mは、当該事務用椅子500脚のうち10脚はA国に所在する自社の事務所において使用することとし、残りの490脚を本邦に輸入する。
4 Mは、当該事務用椅子490脚の本邦までの運送に関連して、次に掲げる額の費用を上記工場渡価格とは別に負担している。
イ Xの工場における輸出用梱包費用 ・・・・・・・・・・・・・・・・・49,000円
ロ Xの工場からA国の輸出港までの運送に係る運賃及び保険料・・・・・・30,000円
ハ 船積予定船の到着遅延によるA国の輸出港における一時的な保管料・・・15,000円
ニ A国の輸出港から本邦の輸入港までの運送に係る運賃及び保険料・・・・120,000円
5 Mは、Xとの上記契約により、当該事務用椅子の再販売価格の2%をXに対し支払うこととされている。なお、Mが輸入する当該事務用椅子490脚のうち、300脚は本邦のYに単価6,000円で再販売され、残りの190脚は本邦のZに単価6,500円で再販売されることとなっている。
6 MとXとの間には、特殊関係はない。
回答
1,176,000円・・・・3000円×(1-0.2)(値引率を控除)×本邦に輸入する490個
+ 49,000円・・・・運送関連費用(輸出用梱包費用)
+ 30,000円・・・・運送関連費用(輸出国国内運賃及び保険料)
+ 15,000円・・・・運送関連費用(輸出国における一時的な保管料)
+ 120,000円・・・・運送関連費用(輸出国から本邦までの運賃及び保険料)
+ 60,700円・・・・Xに支払う再販売価格の2%
6,000×2%×300+6,500×2%×190
1,450,700円
難易度−易
取引数量に応じた値引きは関税評価上認められます(関税定率法基本通達4―3参照)。したがってこの場合は取引数量500個に応じた20%引きの単価になります。輸入されるのは、490個ですが単価は全体の取引数量で決定されます。
4のイからニに掲げる費用はいずれも加算要素である運送に要する費用です。
ここではすべて490個のの本邦までの運送に関連しているとありますので、10,11問のように按分の問題はありません(ああよかった)。
Xとの上記契約により、当該事務用椅子の再販売価格の2%をXに対し支払うことですからこの額は現実支払い価格となります。(売り手帰属収益とみると加算要素ですが、いずれにしても課税価格に含まれます。)
【択 一 式】 ―― 各問題1点 ――
第13問 次の記述は、輸出申告に関するものであるが、その記述の誤っているものはどれか。一つを選び、その番号をマークしなさい。なお、誤っている記述がない場合には、「0」をマークしなさい。
1 過去3年以内に輸出に関し関税に関する法令の規定に違反して処罰された者は、輸出しようとする貨物をコンテナーに詰め込んだ状態で輸出申告し、輸出の許可を受けることができない。
2 他の輸出者に係る貨物と同一のコンテナーに詰め込まれた貨物については、当該コンテナーに詰め込んだ状態で輸出申告し、輸出の許可を受けることができない。
3 関税法の規定に違反して処罰された者であっても、輸出しようとする貨物を外国貿易船に積み込んだ状態で輸出の検査及び許可を受けることはできる。
4 特定輸出申告に係る貨物については、当該貨物をコンテナーに詰め込んだ状態で輸出申告し、輸出の許可を受けるための税関官署への申出を行う必要はない。
5 貨物を外国貿易船に積み込んだ状態で輸出申告をすることにつき、あらかじめ税関長の承認を受けた場合には、当該貨物について税関検査が免除される。
回答 4
1 ○(関税法基本通達67―1―20⑴イ@)
2 ○(関税法基本通達67―1―20⑴ハ)
3 ○(関税法の規定に違反して処罰されたことをもって本船扱いできないとする規定はない。関税法基本通達67の2―1―1参照)
4 ○(特定輸出申告に係る貨物について関税法基本通達67の3―1―8は一般輸出申告に係る関税法基本通達の規定を多く準用しているが、コンテナ扱いに係る67―1―20を準用していない。)
5 ×(そのような規定はなく、貨物を外国貿易船に積み込んだ状態で輸出申告をすることについての税関長の承認基準に「税関の検査に支障がない」ことが規定されている。関税法施行令第59条の4第1項第4号)
難易度−易
ほとんどが通達の規定を根拠にしなければならないので難しいそうだが、5が明らかに誤りなので、易しい問題。税関検査の免除は、地位協定特例法関係を除けば、関税法の世界では存在しない。
第14問 次の記述は、課税価格に関するものであるが、その記述の正しいものはどれか。一つを選び、その番号をマークしなさい。なお、正しい記述がない場合には、「0」をマークしなさい。
1 輸入貨物が売買に基づいて外国から本邦に輸出されたものである場合であっても、当該売買に係る契約の売手が本邦の居住者であるときは、当該輸入貨物の取引価格を課税価格とすることはできない。
2 買手が売手に支払う仕入書価格の中に、輸入貨物に係る輸入取引に関し売手が販売代理人に支払う販売に関する手数料が含まれている場合であっても、当該手数料の額が明らかとなっているときは、当該手数料の額は課税価格に含まれない。
3 輸入貨物に係る特許権の使用に伴う対価が当該輸入貨物の輸入取引の条件として買手により支払われる場合には、その支払いが売手ではなく本邦に居住する特許権者に対して行われる場合であっても、当該対価の額は課税価格に算入される。
4 買手が株主である売手に対して支払う配当金は、当該配当金の対象期間中に買手が売手から購入して輸入したすべての輸入貨物の課税価格に按分して算入される。
5 輸入貨物と同種の貨物の取引価格により当該輸入貨物の課税価格を計算する場合において、当該同種の貨物が当該輸入貨物の生産者と特殊関係にある者により生産されたものであるときは、当該輸入貨物の生産国以外で生産された当該輸入貨物と同種の貨物の取引価格を当該輸入貨物の課税価格とすることができる。
回答 3
1 ×(売手、買手の所在地に制限はない。関税評価に関する取扱事例についての事例1参照)
2 ×(手数料は買付け手数料以外加算要素であり。販売代理人に対する手数料を控除することはない。)
3 ○(関税定率法基本通達4―13⑶ロ参照)
4 ×(関税定率法基本通達4―14⑵なお書参照)
5 ×(当該輸入貨物の生産国以外で生産された当該輸入貨物と同種の貨物の取引価格は、関税定率法第4条の2の規定による輸入貨物と同種の貨物の取引価格は、当該輸入貨物の生産国で生産された物に限られる。)
難易度−易
評価の基本的事項。
第15問 次表の右欄に掲げる三つの物品のうち、同表の左欄に掲げる関税率表の類に含まれないものの正しい組合せはどれか。一つを選び、その番号をマークしなさい。なお、正しい組合せがない場合には、「0」をマークしなさい。
|
関税率表の類 |
物
品 |
A |
第2類(肉及び食用のくず肉) |
a 牛の舌(食用に適した冷凍のもの) b 牛の胃(食用に適した冷凍のもの) c 牛の肝臓(食用に適した冷凍のもの) |
B |
第7類(食用の野菜、根及び塊茎) |
a トマト(生鮮のもの) b すいか(生鮮のもの) c きゅうり(生鮮のもの) |
C |
第9類(コーヒー、茶、マテ及び香辛料) |
a にんにく(生鮮のもの) b しょうが(生鮮のもの) c 月けい樹の葉(乾燥したもの) |
D |
第33類(精油、レジノイド、調製香料及び化粧品類)
|
a シャンプー b デンタルフロス c 固形せっけん |
E |
第40類(ゴム及びその製品) |
a 加硫したゴム(硬質ゴムを除く。)製の手袋 b 天然ゴムのラテックス c ゴム製の水泳帽 |
1 A−a B−b C−c D−a E−a
2 A−b B−c C−a D−c E−b
3 A−c B−c C−b D−a E−b
4 A−b B−b C−a D−c E−c
5 A−a B−a C−b D−b E−c
回答 4
A 2類注1⒝
B すいかは、08.07項
C にんにくは、07.03項。
D 33類注1⒝(せっけんは、34.01項)
E 40類注1⒞(水泳帽は、65類(帽子)
この問題は、類注だけではなく項の規定を参照しないといけない部分がありますが、その分組み合わせで一部わかれば回答できます。
ここは、組み合わせでとりあえず確信がもてないときは、単独の回答を含む組み合わせは違う(例えば、Aでcとなっているのは、3だけであり、もしAがcとすると他をみることなく回答になるので違うと判断する)。
そうすると3、5,1が排除され残るは2と4.BとEが違う。
Bでは、一番くだものであるすいかが外れると考える。
Eでは、ラテックスは40類として製品の手袋と水泳帽。より加工された水泳帽が、40類から外れると考える。
なお、推測ではAは、舌、胃、肝臓どれが非食用の5類か。ホルモン焼き煮込みはあるが、西洋料理の世界ではタン(舌)、レバー(肝臓)料理はあるが胃は使わないので、正解は、b。
Cは、なまで野菜として食べれそうなのはにんにく。
Dは、セッケンが一番化粧品より実用品だから外れる。
第16問 次の記述は、関税率表の所属の決定に関するものであるが、その記述の正しいものはどれか。一つを選び、その番号をマークしなさい。なお、正しい記述がない場合には、「0」をマークしなさい。
1 第51.01項の羊毛には、カシミヤやぎの毛も含まれる。
2 第61.11項の乳児用の衣類及び衣類附属品には、乳児用のおむつを含まない。
3 第71類の貴金属とは、金及び銀をいい、白金は含まない。
4 第87.12項の自転車には、幼児用自転車も含まれる。
5 第97.03項の鋳像には、大量生産した複製品も含まれる。
回答 4
1 ×(51類注1⒜。織獣毛である。)
2 ×(61類注5⒜。)
3 ×(71類注1(A))
4 ○(87類注4)
5 ×(97類注3)
難易度−やや易
幼児用自転車以外の幼児用乗り物は95.03項(玩具等)に分類される。その理由は自転車は幼児用でも交通法規に従うもので玩具ではないというのは国際的コンセンサスか。
第17問 次の記述は、関税率表の所属の決定に関するものであるが、その記述の正しいものはどれか。一つを選び、その番号をマークしなさい。なお、正しい記述がない場合には、「0」をマークしなさい。
1 第01.01項の生きている馬には、巡回サーカス用の馬を含む。
2 第05.07項のアイボリーには、かばのきばを含まない。
3 第10.05項のとうもろこしには、スイートコーンを含まない。
4 第12.07項のその他の採油用の種及び果実には、オリーブを含む。
5 第22.01項の水には、蒸留水を含む。
回答 3
1 ×(1類注1⒞。95.08項)
2 ×(5類注3)
3 ○(10類注。7類の野菜か粉にすると11類。)
4 ×(12類注1。基本的に7類)
5 ×(22類注1⒞。28.53項)
難易度−やや易
すべて類注に記載。第10.05項のとうもろこしには、スイートコーンを含まないはある意味定番品でこれで正解できるが、4のオリーブは、なまじオリーブ油を頭に浮かべると迷いそうです。
通関実務総論
通関実務は、通関士試験の中でも難関です。
その理由はいくつかあって、ひとつは合格基準が、他の通関業法や関税法では、全体で設定されているのに対して、通関実務は、申告書の作成とその他の問ごとに合格l基準を満たす必要があるため、実質的に2科目であること。また計算問題が多く、時間的に厳しいことがあります。
加えて、マークシートで計算結果を記入するのも手間がかかり記入ミスが起こりやすいこと、通関実務の輸入申告で関税評価を誤り課税価格の総額をミスすると課税価格の5点が失われることも厳しいことです。また分類も価格順に並べるためひとつ間違えると順が狂い、2箇所、3箇所の誤りになる恐れが強いことも厳しいです。
基本的に申告書作成は全問正解でないと合格は厳しいそうです。
その他の問題は、計算式が5題あります。今年は関税評価でやっかいな問題はありませんでしたが、問題をよく読まないと間違えやすいところがあって要注意です。