米国の法律改正でいわゆる改め文方式は禁止されているか。

 

通常の法律改正の形式は、次のようないわゆる改め文で行われています。

 

第十条第四項中「この項、第十九条第六項、第十九条の二第四項並びに第二十条第四項及び第五項において」を削り、「同法第七条の二第一項」を「同条第一項」に改める。

 

これに対してこれでは元の法令と見比べないと解し得ない洋画わかりにくので現在参考として作成されている新旧対照表を正式な改正文とすべきだという意見があります。

通達レベルでは、従来から国税庁の通達がそうですし、関税局の通達は、関税法基本通達等の一部改正について (平成18年財関第1580号)から新旧対照表方式に変更されています。

地方自治体では、愛媛県ほか一部の県の条例が新旧対照表方式になっています。

このことに関連して2002123日の衆議院法務委員会でのお質疑で谷本委員から内閣法性局にたいして質問がされています。

この質疑のなかで気になったのは委員の発言で「そういう行政の作業を簡素化するという話の中で、この改め文というものが、改正手続の中で果たしてこういうやり方でいいのかどうかということをぜひ一度考えていただきたい。こういう方式を使っているのは、実は日本だけでございます。アメリカにおきましては、議員立法が多いという状況の違いもありますけれども、アメリカでは逆に、こういう書き方は禁止をされております。」との下りがあります。

そうでしょうか?

実例を示します。

MISCELLANEOUS TRADE AND TECHNICAL CORRECTIONS ACT OF 1996という法律があります。

19961011日にPublic Law 104–295として成立した法律です。

このなかに

SEC. 2. PAYMENT OF DUTIES AND FEES.

(a) INTEREST ACCRUAL.—Section 505(c) of the Tariff Act of 1930 (19 U.S.C. 1505(c)) is amended in the second sentence by inserting after ‘‘duties, fees, and interest’’ the following: ‘‘or, in a case in which a claim is made under section 520(d), from the date on which such claim is made,’’.

 

訳しますと、

1930年関税法第505(c)の第2段落は「税、手数料及び利益」次に「又は第520(d)に規定する申立が行われた場合は当該申立が行われた日から」を加えて改正する。

 

これ改め文そのものです

 

たしかにアメリカでは、条や項の全面改正方式が多いですが、これも改め文方式ですし、新旧対照表はHPでも見当たりません。

また、ECの官報でも新旧対照表による改正はありません。